自動車大手、裕隆汽車は25日の董事会で、台湾の協力メーカー８社と共同で、中国浙江省杭州市蕭山区に大規模な生産基地を建設する計画を決議した。中国の現地報道によると裕隆は、年産24万台の基地建設を現地政府に約束したという。26日付経済日報が伝えた。
裕隆の計画によると、裕隆と協力メーカー８社はそれぞれ海外で合弁会社を設立した上で、合弁会社名義で杭州に子会社を設立する方針だ。裕隆の合弁会社への出資は１～５％（合計77万5,000米ドル）程度の形式的なものとなる。同計画により協力メーカーは現地政府からの税優遇を獲得、裕隆は部品調達コストの低減を目指す。
なお裕隆は杭州での工場設置について、４年前に中国当局に申請を行ったがいまだ許可が下りていない。このため、昨年中国・東風汽車集団との合弁会社「東風裕隆汽車」を設立し、同社を通じて乗用車の生産許可を申請した。先ごろ中国の温家宝首相が海峡両岸経済協力枠組み協議（ＥＣＦＡ）について「台湾側に利益を譲ってもよい」と語っており、東風裕隆の認可取得にプラスに働くとの見方が強まっている。
