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TSMC、自社ブランドLEDで勝負


ニュース 電子 作成日:2010年3月26日_記事番号:T00021757

TSMC、自社ブランドLEDで勝負

 
 ファウンドリー世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)は25日、発光ダイオード(LED)照明技術研究開発(R&D)センターと工場施設のくわ入れ式を行った。式典には張忠謀董事長をはじめ重要幹部全員が出席し、同分野にかける意気込みを鮮明にした。来年第1四半期に量産に入り、5~10年後をめどにTSMCブランドのLED照明を主力製品の一つに成長させる考えだ。26日付経済日報などが報じた。
 
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LED照明R&Dセンター・工場くわ入れ式典に臨んだ張忠謀董事長(右)と蔡力行グリーンエネ新事業総経理(左)。TSMCの本格参入でLED業界の再編も予想されている(25日=中央社)
  
 蔡力行グリーンエネルギー新事業総経理によると、新竹科学工業園区(竹科)のLED工場の第1期工事と生産設備に55億台湾元(約160億円)を投じ、年内に設備を搬入する計画だ。LED照明技術、製造プロセス、パッケージング・テスティング(封止・検査)などあらゆる研究開発を行い、来年からLED光源やLEDライトエンジンなどを生産する予定だ。

 同社は半導体では受託生産のビジネスモデルを採っている一方、生産技術に近い部分が多いLEDでは、自社ブランドの照明製品を生産して市場に切り込むため、張董事長は、まず技術力、次に生産力向上に注力する戦略だと語った。

 張董事長はさらに、LEDや太陽電池など新事業は今後、高い収益力が見込め、いま想像されているような微々たる利益で終わることはあり得ないと強い自信を示した。1年前にグリーンエネルギー産業参入を宣言した際、世間の反応は芳しくなかったが、同社が20年以上前にファウンドリー事業を始めたときも同様だったものの、十分過ぎる結果を出していると強調した。

半導体景気、来年も好感
 
 一方、本業半導体の景気について張董事長は、世界市場の10年生産総額予測を先日上方修正したのに続き、今年のみならず来年の見通しも明るいと楽観予測を示した。工商時報によるとTSMCは現在フル稼働で、6月末まで受注が満杯だ。昨年末から末端市場の需要に弱まりが見られず、IC設計やIDM(垂直統合型の半導体メーカー)がTSMCの第3四半期の生産能力を確保しようと予約発注を始めている状況だという。