ニュース 社会 作成日:2010年3月29日_記事番号:T00021762
馬英九総統が21日から7日間の日程で訪れた太平洋の友好国6カ国をめぐる旅で、外遊先のソロモン諸島の酋長に携帯電話をプレゼントしたことで、失礼な贈り物との批判が巻き起こった。
デリック・シクア・ソロモン首相にサッカーボールを贈る馬英九総統(中央社)
オーストラリアの北東に位置するソロモン諸島は、人口約52万人の小さな国。しかし台湾との友好の絆は強く、昨年台湾が台風8号(アジア名・モーラコット)による大規模な水害を受けた際、同国イザベル省のスタンリー酋長は、村民から義援金を募り、動力船で片道6時間かけて200キロ離れた首都ホニアラに滞在している台湾の農業技術団に届けたという。義援金は総額約4,000台湾元。ちなみに、村の平均月収は約400元だという。
馬総統は今回の外遊で、感謝と感動の気持ちを表すため、自らスタンリー酋長を訪問。酋長から贈り物を受け取ったので、そのお返しにと宏達国際電子(HTC)の高級スマートフォンをプレゼントした。馬総統は酋長に「使えるかどうか分かりませんが、私の心からのプレゼントです」と述べたという。
この話が台湾に伝わると、携帯電話を使えない酋長に対して失礼なプレゼントだと批判が続出。馬総統の身内である国民党内部からも「実用的でない」「見ていられない」「よく検討すべき」などの声が。
確かに、スタンリー酋長の住む村では電波も届かないため、日常生活で使う機会はなく、無用の長物になりそうだが、馬総統は「スタンリーは見聞も豊富。ソロモンの首都ではインターネットもできる」とコメント。酋長は時々、首都に住む息子に会いに行くというから、その際には役立つかもしれないが...。
陳銘政・外交部報道官は、「HTCの携帯電話は台湾が誇るハイテク製品。通話以外にも写真を撮ったり、音楽を聴いたり、ネットをすることもできる」と弁護。
楊進添外交部長も、「酋長は大変喜んでいた」「プレゼントは、相手が好きなものか、または台湾のハイテク製品を贈るのが常だ」と述べ、酋長へのプレゼントは何ら不適切ではなかったと強調している。
ちなみに、馬総統は携帯電話だけでなく、農業支援のために肥料1.5トン(1万5,000元相当)も寄贈したとか。こちらは間違いなく実用的な贈り物といえそうだ。
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