個別半導体（ディスクリート）のうち、MOSFET業界は、川上の電源アダプタメーカーからの受注拡大で、昨年下半期から続く供給逼迫（ひっぱく）が深刻化している。このため、富鼎先進電子（ＡＰＥＣ）や尼克森微電子（ＮＩＫＯセミコンダクター）などは既に下半期分まで、受託生産の元隆電子（ＡＭＰＩ）、台湾茂矽電子（モセル・バイテリック）、漢磊科技（エピシル・テクノロジーズ）なども第２四半期まで受注が満杯となっている。31日付工商時報が伝えた。
MOSFETは、2008年末の金融危機を受け、ＩＤＭ（垂直統合型の半導体メーカー）が撤退または生産ライン削減を行い、生産量が大幅に減少した。
一方、昨年第２四半期以降は、新興国の景気刺激策でパワーMOSFETの需要が回復したものの、ＩＤＭにライン復活の動きがなく、供給逼迫を招いた。特に汎用MOSFETで高いシェアを誇っていた独インフィニオン・テクノロジーズも撤退しているため、納期までに10週間、一部では12週間という深刻な供給不足となっている。
