台湾サムスン電子の金衡睦(キム・ヒョンモク)総経理は30日、台湾市場向けに出荷される液晶テレビのうち、発光ダイオード(LED)バックライト採用機種、いわゆる「LEDテレビ」が占める割合が2011年に70%へと、今年3月初旬の20%強から急拡大するとの見通しを示した。競争激化による販売価格下落が普及の主因で、サムスンの32インチ機種も昨年は5万台湾元以上だったが、今年は3万元(約8万7,000円)以下まで下がっていると指摘した。今年下半期から12年にかけて、LEDテレビへの切り替えが全面的に加速すると予測される。31日付工商時報などが報じた。
金・台湾サムスン総経理は、市場調査機関GfKが今年年初にLEDテレビの台湾市場出荷比率は下半期に10%余りと予測していたが、3月初旬に既に20%強まで上昇したと需要の強さを強調した。
台湾初の3D・LEDテレビ発表
台湾LEDテレビ市場で昨年、シェア38%(市場調査機関GfK統計、販売額ベース)で首位だった台湾サムスンは30日、今年のトップシェア維持に向け、全サイズに当たる32~60インチのLEDテレビ新製品に加え、台湾初の3次元(3D)LEDテレビ「C7000」を発表した。
同製品は46インチが12万9,900元、55インチが18万9,000元で、同サイズの一般液晶テレビ最新機種と比較して2倍以上の価格だ。4月末までの予約販売で申し込んだ場合、電池式の3Dグラス(眼鏡)2つなどが付属する。3Dグラスのみを購入するなら、電池式が5,000元、充電式は6,500元だ。一般の眼鏡より軽いこの3Dグラスをかけると3D映画を楽しめるが、もちろん既存の2D映画も鑑賞可能で、テレビ番組やDVDの2D映像を擬似3Dに変換する機能も備える。
サムスンの3D・LEDテレビは、4月8日から台北市信義区の世界貿易センターで開催されるコンシューマ向け電子製品の展示会「春季電脳展(ソフテックス)」(12日まで)で体験可能だ
市場調査機関、インサイドメディアは、3D・LEDテレビの世界市場規模は11年に1,000万台、15年に5,000万台まで拡大すると予測しており、台湾サムスンは、今年の3D・LEDテレビ販売目標を世界で200万台と設定し、同社LEDテレビ販売全体の20%を占めると見込む。
ソニー・パナソニックも参入
一方、ソニーは日本で早ければ6月に、3Dグラス不要の40、46インチ3Dテレビを台湾元にして約7万元から発売予定で、台湾では今夏に投入する見通しだ。パナソニック台湾は、第3四半期の発売を予定していると表明した。
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