ＥＭＳ（電子機器受託生産サービス）世界最大手の鴻海精密工業は31日、シンガポール子会社を通じて、ソニーの欧州向け液晶テレビを生産するスロバキア・ニトラ工場の株式90.1％を取得したと発表した。１日付経済日報などが報じた。
ソニーは同日、「ニトラ工場の従業員約2,500人を鴻海に引き継ぎ、今後も当社製品の生産拠点という位置付けは変わらない」と強調した。９月までに譲渡を終え、ソニーの出資比率は約10％になる。買収額は非公表だが、証券会社は１億米ドルと推測している。
証券会社によると、昨年９月に買収したメキシコ工場に続き、ソニーの２大生産拠点を獲得したことで、鴻海の液晶テレビ出荷台数は10年に600万台、11年は当初予測の300万～400万台を大きく上回る900万～1,000万台まで拡大する見通しだ。11年の内訳は、中国広東省深圳工場などが300万～400万台、メキシコ工場が300万台、スロバキア工場が200万～300万台とみられる。
