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中国の対台湾戦略暴露本、総統府が寄贈拒否?


ニュース 社会 作成日:2010年4月6日_記事番号:T00021902

中国の対台湾戦略暴露本、総統府が寄贈拒否?

 
 『台湾大劫難―2012不戦而勝台湾(台湾の大惨禍――2012年戦わずして台湾を勝ち取る)』は、中国の台湾攻略戦略に関する国家機密を暴露する話題作だ。しかし独立派の市民がこの暴露本を馬英九総統に贈ったところ、内容が刺激的過ぎて読みたくなかったのか、総統府により差出人に送り返されていたことが分かった。

 昨年11月に発売された同書は、オーストラリアに亡命した中国人作家、袁紅冰氏の著書。08年6月に中国が政治局拡大会議で決定した台湾戦略に関するトップレベルの機密文書を明らかにしており、国民党を丸め込み、民進党を解体させ、芸能人やコメンテーター、大学教授、宗教家などから人選したかいらい政党「台湾社会民主党」を育成し、12年に政権を掌握する戦略などが暴露されている。

 馬総統に同書を贈ったのは独立派政党、保護台湾大聯盟(TDA)のメンバーで医師の陳軍氏(ぺンネーム)。「台湾の家長としてこの書をじっくりと読み、残り2年の施政に役立ててほしい」と書いた手紙を添え、3月16日に2冊を送付したところ、1週間後に総統府から送り返されてきたという。

 総統府のこの反応に対しては、「民意を拒否するのと同じで、度量に欠ける」「理念が異なるとはいえ、受け取り拒否は失礼」など批判の声が与野党双方の立法委員から上がっている。

 羅智強・総統府報道官によると、「一般市民から送られてくる書籍は返却を求られることもあるため、寄贈の意思を明確にしていない場合は、原則的に送り主に返す」という。陳軍氏の手紙には
「寄贈」の2文字がなかったため、「ルールに従って」送り返したと説明している。

 総統府は決して内容が問題だったためではないと強調しているものの、陳軍氏は「本さえ受け取れないとは、一体何を恐れているんだ?」と苦笑。もう一度「寄贈」と明確に記し、再送付することを明らかにしているが、受け取った馬総統が果たして同書を読むかどうか...。