世界銀行が６日発表した東アジアの経済に関する最新報告によると、台湾の今年の経済成長率予測は4.5％で、韓国とシンガポールの4.3％、香港の3.7％を上回る水準となった。同地区の経済成長をけん引する中国の成長率は8.7％に達する見通しだ。７日付中国時報が伝えた。
世銀は同報告の中で、金融危機によって輸出依存度の高いアジアの国・地域が受けたダメージは大きいとした上で、台湾およびシンガポールの工業生産額は、金融危機以前のピークを15％下回っていると指摘した。東アジアの今年の経済成長率は、金融危機前の水準までには回復せず、貧困ライン以下の人口は地域全体で1,400万人増加するとの予測を示した。
さらに、欧米で民間投資と消費の低迷が続き、東アジア経済にとって最大のリスクとなるとの懸念を示唆した。「東アジアの貿易黒字が続けば、欧米が保護主義に傾きかねない」とする一方で、「欧米の経済が予想以上の回復をみせれば、東アジアは輸出依存モデルの維持が可能になるため、経済改革の機を逸し、投機マネーの流入を許して資産バブル崩壊に至るリスクを高める」と分析した。
