トヨタの台湾総代理、和泰汽車は11日、2006年4月から08年11月にかけて国瑞汽車が製造したカムリなど8車種約20万台で、ドアなどに使用されるゴムに不具合が見つかったとして、リコール(回収・無償修理)実施を発表した。リコールの規模としては台湾自動車業界で過去最大。走行の安全に直接の影響はないとしている。12日付蘋果日報が報じた。
トヨタ・カムリ(和泰汽車提供)
リコールの対象となるのは、▽カムリ▽アルティス▽ヤリス▽ヴィオス▽ウィッシュ▽イノーバ▽ゼース▽ハイエース──の8車種。カムリ、アルティス、ウイッシュは06年4月1日~08年11月18日製造分、ヤリス、ヴィオス、ゼースは06年7月1日~08年11月18日製造分、ハイエースは06年7月1日~12月31日製造分、イノーバは07年1月1日~08年11月18日製造分について、無料での修理を受け付ける。
和泰汽車によると、問題のゴムはドア、リアトランク、フロントフードに防水を目的として使われる。しかし、メーカーの不適切な成分調整が原因で表面が硬化して亀裂ができるため、雨水の浸透によってさびが生じる恐れがある。ただ、対象車種すべての車両のゴムに問題があるわけではなく、製造元での15~30分の点検を経て、交換を行う場合は12時間の作業が必要になると説明した。なお、代車の提供は行わない。
「品質管理に問題」
和泰の説明に対し、自動車情報サイト「U-CAR」の陳鵬旭総経理は、「密閉用ゴムの不具合は直ちには運行の安全に影響しないが、長期的にはさびによる車体の強度低下で、事故が起きた場合、死亡や傷害を追うことにつながる恐れがある」と指摘した。
中華民国消費者文教基金会(消基会)の劉清芳督導組組長は、和泰のリコール発表に対し、「責任感ある行動で評価に値する」と賞賛する一方、「製造から4年たって問題が見つかった車種もあり、対応が遅すぎるという印象も受ける。品質管理に問題があるのではないか」と批判した。
トヨタ車の3月の台湾市場でのシェアは28.4%だった。今年は保証期間の延長などにより、シェア40%の獲得を目標にしている。
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