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作成日:2010年4月19日_記事番号:T00022172
台湾人スポーツ選手、中国企業スポンサーが増加

中台間の交流が活発化するにつれ、中国企業が台湾人スポーツ選手のスポンサー企業になるケースが増えている。中国大手スポーツ用品メーカー・李寧が男子テニスの楊宗樺選手とスポンサー契約を結んでいるほか、女子ビリヤード界では、南京康泓体育用品が張舒涵選手の、力欧台球(LEOビリヤード)が蔡佩真選手のスポンサーになっている。
さらにこのほど、不動産やゴルフ場開発、飲料製造などを手掛ける中国の多国籍企業グループ、華彬国際集団が、女子プロゴルファーの曽雅妮選手に白羽の矢を立てた。彼女は2008年6月、19歳の若さで米ツアー初勝利の快挙を達成して以来、3年足らずの間で世界ランクを2位まで上げた女子ゴルフ界のヒロインだ。
華彬は曽選手に対し、契約金5年総額8億台湾元、さらに全米女子プロゴルフ選手権(LPGA)に参加するための交通手段として、プライベート用の小型ジェット機を提供するという破格の待遇を提示しているとか。
曽選手はアマチュア時代、宏碁電脳(エイサー)、中華航空(チャイナエアライン)などがスポンサーだった。07年にプロ入りしてからは液晶パネルメーカーの勝華科技(ウィンテック)がスポンサーについたが、このご時世で大企業からの支援金も徐々に減り、ここ2年はトーナメントの賞金で、遠征費など大半の出費をまかなっている状態だという。
一方、華彬董事長であるタイ華僑の厳彬氏は、09年に米経済誌フォーブスの世界長者番付で中国第10位にランキングされた富豪。ゴルフは16年のリオデジャネイロ五輪の正式種目に決まっており、曽選手が活躍すれば、華彬にとって大きな宣伝効果が期待できると考えたのだろう。
目下、両者は契約へ向けて最終交渉を進めているもようだが、契約が成立すれば、曽選手は台湾スポーツ界で過去最高の契約金を獲得できる見通しだ。
曽選手の父、曽茂炘氏の本音は「娘は台湾人。台湾企業がスポンサーになってほしい」しかし、不況の影響からか、台湾企業からのオファーはまだないとか。台湾人選手が中国企業の広告塔となるケースは、今後ますます増えるのかもしれない。