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アイスランド噴火、台湾客が欧州で右往左往


ニュース 社会 作成日:2010年4月21日_記事番号:T00022230

アイスランド噴火、台湾客が欧州で右往左往

 
 アイスランドの火山噴火の影響で空港閉鎖を余儀なくされていた欧州各国で、飛行制限措置の緩和が決まり、19日夜以降、相次いで空港が再開している。一方、交通部のまとめによると、20日現在で現地に取り残されている台湾人ツアー客は合計70団体、1,932人に上り、さまざまな「欧州脱出作戦」が繰り広げられた。

 長栄航空(エバー航空)は、これらのツアー客を台湾へ輸送するため、台北~ウィーン臨時便を20日夜に運航することを決めた。この情報を聞いたパリ滞在中の康福旅行社1団体30人のツアー客は、この臨時フライトに搭乗して帰台しようと、観光バスでパリを出発。15時間かけて一路、ウィーンへ向かった。

 ところが20日午後になって、ウィーン国際空港から「長距離路線の旅客機の着陸は不可」との通知が入り、同フライトの運航は48時間後に延期されてしまった。ウィーン到着直前に延期を知った一行は、欧州即時脱出の希望が打ち砕かれ、仕方なく現地で2日後の同便を待つことに。

 一方、同じくパリに滞在していた雄獅旅行社の2団体60人余りも、観光バス2台を60万台湾元でチャーター。ウィーンへ向かったが、出発1時間後に臨時便のフライトキャンセルを知り、急きょパリに引き返した。

 観光バスでロンドンから10時間かけてアムステルダムへ、あるいはパリから7時間かけてフランクフルトへ、最悪の場合は20時間以上かけてローマへなど、足止めされているツアーを持つ旅行社は、帰国便を求めてさまざまな方策を検討したという。今回の旅行でバスによる「欧州めぐり」を敢行することになるとは、ツアー客も予測していなかっただろう。

 なお、予定外の足止めで現金の持ち合わせが底をついたツアー客も多い。外交部は20日、駐欧州代表機関を通してこれら旅客に対し1人当たり最高500米ドルの緊急融資を提供すると発表したが、ツアー客に焦燥感が広がっていた中、なかなかの英断だったと言えるだろう。