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TSMC、中科に12インチウエハー工場


ニュース 電子 作成日:2010年4月28日_記事番号:T00022404

TSMC、中科に12インチウエハー工場

 
 台湾積体電路製造(TSMC)の張忠謀董事長は27日の業績説明会で、年内に中部科学工業園区(中科)で12インチウエハー工場「Fab15」を着工すると表明した。当初は40ナノメートル製造プロセス製品を生産し、段階的に28、20ナノプロセスを導入していく。投資総額は1,000億台湾元(約3,000億円)が見込まれる。28日付電子時報などが報じた。
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 TSMCは新竹科学工業園区(竹科)と南部科学工業園区(南科)に12インチ工場を設けており、中科12インチ工場は台湾全土で3基目、中部では初となる。

 Fab15を建設する理由について張董事長は、0.13マイクロメートル以下の先端製造プロセス製品の需要に対する生産能力不足が3~4割に達しており、また、海外大手IDM(垂直統合型の半導体メーカー)がファウンドリーへの生産委託を拡大する傾向にあることを挙げた。

 同社は、今年は48億米ドル規模の設備投資を実行し、既存工場の生産能力拡大にも注力する。竹科12インチ工場では第5期工場棟を、南科12インチ工場では第4期工場棟を建設中で、完成すれば両拠点とも12インチの月産能力が10万枚を突破する。ともに40ナノプロセスでの量産を行い、竹科では下半期段階で28ナノプロセスでの量産も視野に入れている。

 なお、同社の今年通年の総生産能力は8インチウエハー換算で1,124万8,700枚と、初めて1,000万枚の大台に乗る。特に12インチの生産能力は前年比35%増加し、全体の半分を占める見通しだ。

ファウンドリー業界、36%成長

 張董事長はまた、今年のファウンドリー業界の生産額が前年比で36%成長するという予測を示し、「今年は非常に良い1年になる」と発言した。

 同社は現在受注が満杯状態で、第2四半期売上高は前期比8.5~10.6%増の1,000億~1,200億元の水準を予想している。四半期売上高が1,000億元台に乗れば創業以来初となる。

オフシーズンの影響なし

 同日発表された第1四半期業績は、連結売上高が前期比0.1%増の921億9,000万元、純利益は3.1%増の336億6,000万元で、オフシーズンの悪影響に見舞われなかったことが示された。第1四半期のウエハー生産能力は8インチ換算で前期比1.3%増の256万6,000枚。

 張董事長はこのほか、各産業別の年間成長率見通しも明らかにし、パソコン産業は17%、ハンドヘルド製品は13%と第1四半期当時の予測を上方修正し、コンシューマエレクトロニクス製品は7%と従来の見方を維持した。
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【図】【表】