馬英九総統は4月30日、米CNNとのインタビューで、「中台間の緊張になぜ米国がリスクを犯す必要があるのかと聞かれればどう答える」と質問され、「米国に対し、台湾のために戦うことは決して求めない」と発言した。中台関係における米国のプレゼンスについて、台湾の元首が「決して(never)」という強い語句を用いて否定したことはかつてなく、民進党などから反発を呼んでいる。2日付中国時報などが報じた。
CNNに出演した馬総統。批判に対し総統府報道官は「自主防衛への強い決心を示したもの」と反論した(30日=中央社)
民進党の蕭美琴・国際事務部主任は、「米国の台湾に対する支援は『台湾関係法』に基づくものだが、それでもこれまであいまいな部分を残してきた」と指摘。そして、馬総統の発言はそのあいまいな部分を取り除く行為であり、「今後われわれは米国を必要としない」との意思表示なのかと疑問を呈した。
また蔡英文同党主席も、「国防と自国民の保護を最優先とする原則、およびアジアの安定に対する責任を放棄し、中国の意思に屈服したとの印象を抱かせる」として、「非常に不適切」と強く批判した。
一方、国民党の林郁方立法委員は「馬総統の両岸(中台)関係に対する自信の表れ」としながらも、「決して」という言葉を使ったことについては「ちょっと強過ぎる」と話した。