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AUO、特許訴訟でLGDに完勝


ニュース 電子 作成日:2010年5月3日_記事番号:T00022492

AUO、特許訴訟でLGDに完勝

 
 友達光電(AUO)は2日、米デラウェア連邦地裁が4月30日、韓国LGディスプレイ(LGD)がAUOにより液晶パネル技術4項目の特許を侵害されたとする訴えを却下、 LGD敗訴の裁定を下したと発表した。同裁判所は今年2月にも、AUOがLGDを反訴していた裁判でAUO勝訴の判決を下している。LGDは控訴が可能だが、台湾パネルメーカーが一審段階とはいえ、業界海外大手との特許訴訟で完全勝利を収めたのは初めてで、台湾業界の技術競争力の向上が国際的に認められた形だ。3日付経済日報が報じた。

 AUOの特許が認められたのは、▽液晶の反応時間改善▽液晶ディスプレイの信頼度改善▽ディスプレイ画面の瑕疵(かし)解決▽小型ハンドヘルドデバイス用の薄型構造の供給──の4点。AUOによると、LGDはこれらAUOの特許技術を、テレビやディスプレイ、ノートパソコン、携帯電話など広範囲の製品で使用している。AUOはこのためLGDに対し、AUOの特許を侵害している製品の米国への輸出・販売を取りやめるよう求め、応じない場合は提訴する構えだ。

 同裁判は2006年12月、LGD(当時はLPL)がAUOと旧・奇美電(CMO)に対し、特許侵害で提訴したことが発端で、AUOは反訴していた。09年6月から始まった審理過程で、LGDはAUOに6億9,000万米ドルの損害賠償を要求していた。

 証券会社は、AUOは今回の裁定を受けてLGDに損害賠償を要求し、今後権利金収入の獲得も見込めるため、少なくとも10億米ドルの収入が得られると分析している。実現した場合、AUOは今年の利益が2倍に増える計算だ。

特許申請件数、2年連続で首位

 AUO勝訴の背景には、同社が独自技術の開発に注力してきたことが挙げられる。同社が世界各地で保有する特許は約6,000件、申請中のものは5,500件で、申請数は2年連続で台湾業界首位だ。

 経済部智慧財産局によると、AUOが昨年申請した特許は523件で、法人による申請件数ランキングで4位だった。旧・奇美電は279件で、AUOのほぼ半分だった。AUOは02年、新竹科学工業園区(竹科)に「科技センター」を設立し、現在1,700人のエンジニアが技術開発に取り組んでおり、特許獲得の原動力になっていると強調している。
T000224921

 

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