ニュース 社会 作成日:2010年5月4日_記事番号:T00022494

台湾のケーブルテレビ(CATV)は、月額500~600台湾元の視聴料金で、100局以上のチャンネルが楽しめる。映画専門チャンネルだけでも10チャンネルあり、視聴者は多くの選択肢の中から多種多様な映画を観ることができる、はずなのだが...。
リサーチ会社、ACニールセンがCATVの放送状況を調査したところ、同じ映画が何度も何度も繰り返し放送され、視聴者はウンザリしているという実態が明らかとなった。
映画専門チャンネルで09年に最も多く放送された作品は、周星馳主演の香港ラブコメディ『唐伯虎点秋香』(1993年、邦題:詩人の大冒険)で、なんと年間800回と過去最高の放送回数を記録。1日平均2回以上放送されている計算となる。どうりで周星馳をよく見かけるはずだ。
台湾や香港、日本、韓国作品の映画チャンネル、緯来電影台は、「75%は新作で、ゴールデンタイムに放送する作品はほとんど重複しない」と強調するが、洋画専門チャンネルのSTAR Movies(衛視西片台)によると、1カ月に必要な作品は最低120本。「うちは新作放送率は高いほうだ」としつつも、作品が足りない時は旧作の再放送は仕方がないという立場。中国語映画専門の衛視電影台(STAR Chinese Movies)は、「旧作の再放送は、視聴率と番組のスケジュール、視聴者の要望を考慮して決定している」とか。
一般にチャンネル運営業者は、CATV事業者から受け取るライセンス料が少額なため番組制作意欲が低く、海外から安価な番組を購入する傾向が強い。購入先は、香港から日本、韓国と移り、最近では中国やタイが増えているという。そしてさらにコストを押さえるために再放送が多くなるというわけだ。また近年、台湾や香港で制作される作品が減っていることもあり、中国語映画の旧作再放送率はますます高まっている。
通信行政を管轄する国家通訊伝播委員会(NCC)は、チャンネル運営業者がライセンスを更新する際、午後6時~12時における再放送率が高い場合は改善を要求しているというが、業界関係者が指摘するように、「システム業者がもうけ、チャンネル業者が苦しむ」という台湾のCATV業界のゆがんだ構造にも改善が必要なようだ。
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