ワイズコンサルティング・グループ

HOME サービス紹介 コラム グループ概要 採用情報 お問い合わせ 日本人にPR

コンサルティング リサーチ セミナー 経済ニュース 労務顧問 IT 飲食店情報

桃園空港利用者が過去最高へ、中台直航効果


ニュース 運輸 作成日:2010年5月7日_記事番号:T00022609

桃園空港利用者が過去最高へ、中台直航効果

 
 交通部の6日発表によると、今年第1四半期の桃園国際空港の旅客輸送量(乗り継ぎ客を除く)が、前年同期比22.9%増の延べ555万人に上り、年成長率でシンガポール・チャンギ国際空港(17.1%)、韓国・仁川国際空港(15.1%)などを上回りアジア主要空港中トップとなった。大幅成長の最大要因は中台直航便の利用増で、交通部は、今後も中国人観光客の増加が見込まれることなどから、今年通年では延べ2,412万人の過去最高を記録すると予測している。7日付経済日報などが報じた。
T000226091

 
 台湾の空運市場は2008年第4四半期以降、世界金融危機や新型インフルエンザ(H1N1)などの影響で1年近くマイナス成長が続いたが、昨年8月から旅客数、貨物量ともにプラス成長を回復している。 交通部の統計によると、第1四半期は旅客数のうち15~20%を中国客が占め、第1四半期の旅客輸送量年成長率22.9%のうち10.99%分は中国客の貢献によるもので、中国1国のみでほぼ世界の他の国・地域全体の伸びに相当した。

 毛治国交通部長は「中台直航便効果が威力を発揮している」と語り、今月末にも中台間で直航便の増便に関する合意が得られる見込みであることから、今後も旅客数は成長を続けるとの見通しを示した。

貨物輸送も大幅成長

 桃園空港は第1四半期、貨物輸送量も40万9,000トンと前年同期比71.1%の大幅な成長を見せて世界金融危機発生前の水準を回復した。なお、貨物輸送量の年成長率でも、上海浦東国際空港(63.1%)、成田国際空港(43.0%)、香港国際空港(34.0%)を上回りアジアトップとなった。これについて交通部は、台湾は近隣諸国と比べて金融危機からの立ち直りが早い と強調。通年の貨物輸送量は160万3,000トンで過去最高の170万トンに迫ると予測している。

 長栄集団(エバーグリーン・グループ)によると、IT(情報技術)産業の貨物量が爆発的に増えており、航空倉庫業最大手の華儲も「1~4月の貨物輸出量は90%近く成長している」と指摘した。

「中国頼み」に懸念も

 一方、経済日報は、桃園空港は多方面からの旅客や貨物を扱ってこそ継続した成長を達成でき、アジア太平洋地域のハブ空港へと発展できると指摘し、「中国市場のみに頼るなら、それは(国際空港ではなく)『両岸(中台)交流空港』でしかない」と指摘した。

 桃園空港が、その周辺エリアに国際的な資本や人材を呼び込んで総合的な機能を持つ「航空城」へと発展するには、「より広い国・地域から多元的な利用を獲得できるよう努力すべき」と提言している。

【図】