台北市内で最も危険な横断歩道は、どこにあるかご存じですか?答えは忠孝東路。台北市政府警察局交通警察大隊(交通大隊)の統計によると、2006年~10年5月6日における横断歩道での事故発生件数は、忠孝東路が116件(死者1人、負傷者142人)で最悪だった。忠孝東路でも特に事故が多発している場所は、松仁路、建国南路、敦化南路との交差点で、いずれも交通量の多いポイントだった。
忠孝東路に次いで危険なのは、民権東路と中山北路で、事故件数はそれぞれ104件と100件。一方、死亡者数が最も多かったのは仁愛路で、4人が命を落としている。仁愛路は事故件数でも71件と第4位だった。これらの横断歩道を渡る際はくれぐれもご注意を。
車優先社会の台湾では、交差点で横断歩道を渡る歩行者を一時停止して待つ車は少ない。歩行者の歩みが遅いと罵倒するドライバーもいるほどで、ほとんどの車やバイクは、「警官が交通整理をしている時だけ歩行者優先」だ。
この現状について、洪健益・台北市議は13日、「台北市は長期にわたり歩行者優先の宣伝活動をなおざりにしてきた」と指摘。今年4月上旬、陸以正・元駐南アフリカ大使(86)が、横断歩道で一時停車せずに突っ込んできたタクシーに接触し、全治3カ月の重傷を負う事故が発生したことで、やっと取り締まりを強化したと市政府の対応の遅れを批判している。また洪市議によると、仁愛路は死亡事故が最も多いにもかかわらず、交通大隊が指定する市内25カ所の取り締まり強化ポイントには入っていない。
一方、交通大隊は、歩行者優先を守らない車両の取り締まり件数は、4月12日~5月9日の28日間で1,295件(1日平均46件)と、今年1~3月の1,923件(同21件)と比べ倍増しており、4月からの取り締まり強化が功を奏していると強調した。忠孝東路と復興南路、忠孝東路と敦化南路、台大医院周辺の中山南路と常徳街の交差点での違反が特に多いそうだ。
なお横断歩道では、車やバイクは歩行者が通行している場合、3メートル以上離れた所で一時停止しなければならず、違反した場合は1,200~3,600元の罰金が科せられる。台北市交通局は今後、信号のない交差点でも取り締まりを強化する方針だという。