このほど聯合報が実施した世論調査によると、「台湾全土25県市で最も住みやすい県市」は花蓮県という結果となった。2位と3位には宜蘭県、台中市がランクイン。逆に最も住みにくいのは基隆市で、台北市、雲林県もワースト3入り。全体的にはこれまでと同様、「住みやすい東部、住みにくい北部」という構図が浮かび上がった。
調査は4月26日~5月14日、全国の成人2万532人を対象に、電話によるアンケート方式で実施され、有効回答数は1万7,232人。
住みやすい県市第1位となった花蓮県は、山あり海ありの風光明媚な環境で、人口も少なく、台北からは特急列車タロコ号でわずか2時間。ロハス志向の人やアーティストなど好んで定住する地となっており、なんと住民の91%が「住みやすい」と満足している。
第2位の宜蘭県は89%の住民が「住みやすい」と評価。雪山トンネルの開通で台北との距離が一挙に短かくなったことで、土地を買って移り住む「新宜蘭人」も増えた。台北で心理カウンセラーとして働いていた王さんもそんな1人で、2年前に移住。「宜蘭ではいつでも鳥や虫の鳴き声が聞こえる。ここに来てスローライフとは何かを初めて知った」とか。屏東に実家がある原住民タレントの民雄さん、司会者の于美人さん、作家の呉淡如さんなど、宜蘭に土地を購入している著名人は多い。
3位にランキングされた台中市は、四季を通じて過ごしやすい気候で、人口密度や物価もそれほど高くなく、便利かつ快適な生活が評価され、88%の住民が住みやすいと回答。のんびり暮らしたいが都会の利便性も捨てがたい人たちに人気があるようだ。
一方、ワースト1という不名誉な評価を受けた基隆市は、「住みやすい」は全国最低のわずか55%だった。交通整備の遅れや、雇用機会の少なさが原因で、「住みにくい」と評価する住民は34%にも達している。
台北市は基隆市に次ぐワースト2。「住みやすい」は67%、「住みにくい」は23%だった。人口密度、物価(特に住宅価格)がともに高い上、都会ならではの人情味の薄さ、慌ただしい生活のリズムなども原因とみられる。ただ、「医療や教育環境、交通インフラなども評価に入れた場合、また違う結果が出るはず」という見解もある。