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インベンテック、多角化を加速


ニュース 電子 作成日:2010年5月25日_記事番号:T00022962

インベンテック、多角化を加速

 
 中堅ノートパソコン受託生産メーカー、英業達(インベンテック)の李詩欽董事長は24日、第3四半期にスマートフォン、電子ブックリーダー、スマートブック(タブレット型PC含む)など無線ブロードバンド端末製品の出荷を相次いで開始する計画を明らかにし、非ノートPC分野での展開を積極的に進める考えを示した。2012年には非ノートPCの売上高比重が現在の20%から30%に拡大する見通しで、李董事長は「当社は現在とは全く違った姿に変ぼうを遂げる」と意気込みを語った。25日付電子時報などが報じた。
 
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 同日、全球一動(グローバル・モバイル)の、台北市での高速無線通信規格WiMAX(ワイマックス)サービスの開始イベントに参加した李董事長は、ノートPC技術の延長線上に開発されたタブレットPCを含む無線ブロードバンド端末、オールインワン(モニター一体型、AIO)PCなどは将来性が高く、商機は大きいと好感を示した。その上で、今後新規顧客の開拓を進め、ブロードバンド端末の出荷台数は11年に500台、12年には1,000万台以上が見込めると語った。

全球一動にWiMAX携帯供給

 なお全球一動は同日、インベンテックとの戦略提携締結を発表し、第3四半期に予定するVoIP(ボイップ)技術を利用したWiMAX通話サービスの提供に当たり、インベンテック傘下の英華達(インベンテック・アプライアンシズ)が、聯発科技(メディアテック)のチップを採用して製造するWiMAX携帯電話を発売する計画を明らかにした。

 このほか両社は、インベンテックが台北や桃園の工場、オフィスで計画しているWiMAXネットワーク構築や、「桃園科技園区」でのクラウドコンピューティング研究開発(R&D)センター共同設置などで協力関係を深める考えだ。

 また同日付経済日報によると、第3四半期に全球一動が予定している増資に、インベンテックが参加するとの観測も出ている。

AIOの英冠達を世界一に
 
 李董事長はオールインワンPCについて、液晶モニター受託生産世界最大手、冠捷科技(TPVテクノロジー)と合弁で設立した英冠達(TPV-インベンタ・テクノロジー)を、2年後には出荷台数年1,000万 台の、オールインワンPC受託メーカーとして世界最大手に成長させたいとの考えを示した。特に中国市場ではオールインワン機種がデスクトップPCに取って代わる勢いとなっており、成長の原動力となるとみている。

 なおインベンテックは第3四半期、TPVのブラジル工場を利用して同国にノートPCおよびオールインワンPCの生産ラインを設置する計画だ。

本業ノートPC、「鴻海は怖くない」
 
 ノートPC受託事業について李董事長は「依然同事業が本業」と語り、今後も積極的に受注獲得に取り組み、業界平均以上の成長率を目指す考えを示した。

 最近、鴻海科技集団(フォックスコン)がノートPC受託業界での勢力を拡大しており、業界では「数年内にインベンテックを超える」との見方も出ている。しかし李董事長は「特に脅威は感じない」と話し、「当社は2,000人以上の研究開発要員を抱え、長期にわたる経験もある。競争相手(鴻海)は短期的に受注量を伸ばすだろうが、顧客の求める品質に応え、継続して受注できるかどうかは今後試されることになる」と指摘した。
  
【表】