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台大院生指定のかばん持ち求人、賛否分かれる


ニュース 社会 作成日:2010年5月26日_記事番号:T00022966

台大院生指定のかばん持ち求人、賛否分かれる

 
 台湾ではこれから卒業のシーズンを迎える。卒業と同時に失業状態に直面する新卒者も多く、政府は大専(大学・専科学校)卒業者向けのインターンシップ「大専卒業生企業職場実習方案」を実施し、雇用対策を図っている。

 「22K方案」と呼ばれるこのプランは、大専卒業生を1年間実習生として受け入れた企業に対し、政府が賃金や健康保険料に補助金を支給するという制度だが、このほど最高学府・台湾大学に同制度の適用を希望する驚くような求人が舞い込んだ。その内容を紹介すると…。

 応募資格は「台大の大学院(マスターコース)以上の卒業生」と限定されており、年齢制限はなし。ポストは「社長特別アシスタント」。聞こえはよいが、何のことはない、仕事の内容は「社長の運転手兼かばん持ち」だ。

 これは高雄の中小企業からの求人情報らしいが、この会社の社長は「オレは台湾大学院卒の超エリートをあごで使えるんだぜ」と、虚栄心を満足でもさせたかったのだろうか。

 この求人に対する台大生の反応は賛否両論。否定派は「例えどんなに給与がよくても、かばん持ちなんて考えられない」「まったく仕事が見つからない場合以外、絶対に応募しない」ときっぱり。仕事に将来性がないことを指摘する声も多かった。

 しかし賛成派は「下積みも勉強のうち」と肯定的で、ネットユーザーからは「常に社長に同行できるので、経営者の思考回路や会社内外の状況を理解するチャンスがある」との見方も。

 一方台湾大学は、院生が培ってきた能力を全く無視したこの求人に「台大生にとっては意義がない」と一蹴。結局、インターシップの規定にも合わなかったことから、最終的にはボツになった。就職難のご時世、実際に応募者が現れるかどうか確かめたかった気もするが…。