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デジタル主流時代、写真館の6割が閉店


ニュース 社会 作成日:2010年5月28日_記事番号:T00023023

デジタル主流時代、写真館の6割が閉店

 
 今やカメラといえばデジタルの時代。従来のフィルム式カメラとは違い、デジタルカメラは撮ってすぐ写りが確認でき、何度でも撮り直しできるなど、その便利さからあっという間に普及した。

 この時代の波を受け、写真館が激減している。最盛期の約20年前には台湾全土に4,500店もあった写真館が、今では1,500店で、6割が淘汰されてしまったことになる。

 店舗が賃貸物件だった写真館は、ほとんどが閉店。なんとか生き残ったところも厳しい経営状態で、売り上げは従来の半分から3分の2に減少しているという。

 デジタルカメラで撮影した写真を現像するための専用現像機は1台約500万台湾元。さらに年間10万元のメンテナンス費がかかる。多額の設備投資で固定支出が大幅に増加し、写真館の利益を圧迫しているのだ。

 その上デジカメの普及で写真をコンピューターで見る人が増えたことも大きな痛手となっている。かつて業務の5~7割を占めていたフィルムの現像は、もはやおまけのような仕事になり下がっており、「昔は1週間に200本ものフィルムを現像したのに、今じゃ1日に1本あればよい方だ」と嘆く店主も。

 台北県新荘市で親子2代続く写真館の店主によると、「昔は現像機1台さえあれば一家全員が食べていけた」というが、かつて主力だった現像による収益は今や全体の1割まで低下している。現在の主力サービスは、低コストで流行に左右されないフォトアルバムの製作だ。マグカップやTシャツなどオリジナル商品も販売するが、専用の転写機が必要なことから外部に委託している。

 また宜蘭県の温泉地、礁渓では、ヘアーサロンを併設し、地元の消費者だけでなく、温泉地を訪れる観光客も呼び込んでいる老舗の写真館もある。いまや写真館は生き残りをかけて、あの手この手の経営戦略を展開しなければならないようだ。厳しい時代ではあるが、今後どのようなアイデアが生まれるのか楽しみでもある。