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作成日:2010年5月28日_記事番号:T00023043
富士康が給与2割アップ、連鎖自殺で緊急措置か
鴻海科技集団(フォックスコン)の丁祈安広報担当は27日、傘下の携帯電話受託生産メーカー、富士康国際(FIH)の従業員の給与を2割引き上げる計画がまとまり、近く実施すると表明した。中国広東省深圳工場での従業員連続自殺とは無関係と説明したものの、業界では昇給は事態のこれ以上の悪化を防ぐため、例年7月に行うところを6月に前倒しした上で、高い上げ幅で実施するとの観測が伝わっている。28日付経済日報が伝えた。
丁広報担当は、昇給を行う地区や工場、期日は明らかにしていない。仮に深圳工場の従業員45万人を対象に行われると、1カ月当たりの人事コストは約8,100万人民元(約10億8,000万円)増加する。
なお、28日付香港商法電子版によると、深圳工場で27日未明、湖南省出身の25歳の男性従業員が腕部を切って自殺を図った。ただ、未遂に終わり生命に危険はないという。男性は今年3月15日から同工場で働き始めたばかりだった。これで同工場での自殺事件は今年13件目(死者10人、けが3人)となった。
「郭董事長の苦境は国家の苦境」
この問題で王金平立法院長は27日、「鴻海は中国大陸で成果を挙げている台湾企業だ。郭台銘董事長の苦境は国家の苦境だ」と発言し、メディアに対し台湾企業を守る姿勢を保ち、事件を興味本位で報道しないよう呼び掛けた。