鴻海科技集団（フォックスコン）傘下の携帯電話受託生産メーカーで、今年中国深圳工場で13件の従業員連続自殺事件（10人死亡、３人けが）に見舞われている富士康国際（ＦＩＨ）は28日、従業員給与の22％引き上げを発表するとともに、停止していた従業員募集を再開した。29日付蘋果日報が報じた。
台北県土城市の鴻海集団本部前で28日、労働団体が抗議活動を行い、鴻海に従業員の人間性を重視するよう呼び掛けた（28日＝中央社）
大部分の応募者が、連続自殺事件は富士康での就労意欲に影響しないとの考えで、ある男性は「富士康の待遇は悪くない。自殺の原因は企業側ではなく、自殺者自身にあると思う」と語った。
中国、報道規制かける
なお、中国政府は28日、中央の閣僚である尹蔚民・人力資源社会保障部長が深圳入りし、１週間かけて連続自殺事件の原因究明に当たるとともに、連続自殺事件に対する報道規制を始めた。国内全メディアに対し深圳からの取材記者の撤退と、今後の報道はすべて国営新華社の記事の使用を求めるとともに、インターネットの討論サイトやブログでこの問題を取り上げた者は厳罰に処する方針を表明した。
