鴻海科技集団（フォックスコン）傘下の中国電子機器受託生産メーカー、富士康国際（ＦＩＨ）が大幅な賃上げに踏み切った問題で、鴻海集団がコスト増加分を受注価格に転嫁するのではないかとの観測が高まり、宏碁（エイサー）、華碩電脳（ＡＳＵＳ）など取引先は、鴻海が受注価格を値上げした場合、発注先を変更することも辞さない姿勢を示している。８日付工商時報が伝えた。
エイサーは「現時点で鴻海に値上げの動きはない」としているが、仮に値上げが実施された場合、同業他社と価格、品質、納期などを総合的に比較し、競争力が損なわれると判断される場合には、発注先の変更も検討する構えだ。
ＡＳＵＳは昨年からノートパソコンの生産の一部を鴻海に委託している。ＡＳＵＳも現時点で鴻海が値上げするとの話は聞いていないとしているが、仮に値上げが実施された場合、発注先の変更で利益率を確保することも念頭に置いている。
