中国・河南省鶴壁市政府はこのほど、鴻海科技集団（フォックスコン）傘下の富士康国際（ＦＩＨ）が同省で従業員30万人規模の工場区新設を計画しており、まず10万人の研修生を募集するとの緊急告知を公式ホームページに掲載した。同集団は沿海部での給与水準上昇を受け、内陸部への移転計画を加速させているものとみられるが、鴻海集団広報部は「そうした計画はない」とこれを否定している。29日付経済日報が、ブルームバーグとロイター通信の報道を基に伝えた。
鶴壁市ＨＰの25日付告知
鶴壁市政府の25日付の告知によると、富士康研修生の募集対象は、▽各種職業技術学院の実習生▽都市部の求職者・農村部の余剰労働力▽退役軍人──などで、待遇は、▽１日８時間勤務で週休２日▽１日の残業は３時間以内、週１日以上は残業ゼロ▽基本給は月1,200人民元（約１万5,800円）以上──となっている。また残業代も含めた平均収入は1,600～2,300人民元だが、勤続３カ月後に実施される試験に合格すれば基本給は2,000人民元以上、平均収入は2,500～3,000人民元にアップするとしている。
なお同告知に連絡先として記載されている同市職員、李施羽氏は「告知を見ておらず、何とも言えない」と語っている。
