欧州連合（ＥＵ）の執行機関、欧州委員会（ＥＣ）は28日、ＥＭＳ（電子機器受託生産サービス）世界最大手の鴻海精密工業が、欧州向け液晶テレビを生産するソニーのスロバキア・ニトラ工場買収を認めると発表した。鴻海がサプライヤーの認証を終え、出荷に問題が起きなければ、同社は液晶テレビ受託メーカーとして今年の５位圏外（予測）から世界２位を狙える位置に立つとみられる。30日付工商時報が伝えた。
ソニーは３月31日、同工場の運営会社の株式90％を鴻海に売却すると発表。その上で、今後も同工場は、ソニーの欧州市場向けの主要な生産基地として液晶テレビ生産を継続することで鴻海と生産提携を結ぶと説明していた。
ソニーの外部委託比率は従来の15～20％から現在35～40％に拡大。今回の工場売却成立により、さらに55～60％まで拡大する見通しで、鴻海に大きな恩恵をもたらしそうだ。
