必翔実業の伍必翔董事長は27日、ロシアの宇宙航空事業向けにリン酸鉄リチウム電池を供給することで、今月15日同国政府と契約を結んだことを明らかにした。2011年10月に打ち上げを予定している火星探査機をはじめ、月面探査機などに採用される。28日付工商時報などが伝えた。
必翔が国家レベルの事業に製品を供給するのは初めて。ロシアは４年半前にも必翔からリン酸鉄リチウム電池を調達した実績がある。テストの結果、必翔の電子は延べ１万1,000回の充電、使用を経ても80％の残存率があり、他社の電池が零下10～20度の環境下で出力が７～８％に落ちるのに対し、零下40度でも80％の出力を保ったため、こうした性能を評価して今回の契約を決めた。
必翔は傘下の必翔電能高科技（ＰＨＥＴ）がリン酸鉄リチウム電池を生産。ロシア側には年内に少量からの供給を始める。
伍董事長によると、ロシア政府とは今後、東欧諸国への製品販売、合弁工場の設立と、提携を拡大していく方針だ。製品にはリン酸鉄リチウム電池のほか、電動カート、電動車いす、電動自転車、電気自動車など必翔の全製品が含まれる。
