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今年の輸出額、過去最高へ


ニュース その他分野 作成日:2010年8月10日_記事番号:T00024558

今年の輸出額、過去最高へ

 
 財政部が9日に発表した貿易統計によると、7月の輸出総額は前月比5.2%増の239億米ドルで、前年同月比では38.5%の大幅成長となり、金融危機発生以降では今年5月に次ぐ2番目の額となった。今年1~7月累計では前年同期比47.4%増の1,558億2,000万米ドル。財政部は下半期、上半期比で少なくとも6.9%成長し、通年では2,700億米ドルを超え過去最高を更新すると予測している。10日付経済日報などが報じた。
 
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 7月の製品別輸出額を見ると、電子製品が前月比8%増、前年同期比35.5%増の67億1,000億米ドルで単月過去最高を記録。機械も7月は前月比8.3%増、前年同月比では製品別首位の81.1%増となり15億1,000億米ドルの単月歴代3番目を記録した。

 また1~7月累計でも、主要製品はすべて前年同期比で大幅に増加しており、大型液晶パネルを主とする光学器材の104.4%増を筆頭に、化学品(56.9%増)、機械(52.7%増)、電子製品(52%増)と続いた。なお電子製品、化学品、プラスチック・ゴムおよび関連製品は同期としては過去最高となった。

 7月の輸出先別は、米国向けが前月比0.7%増、前年同月比47%増の28億8,000万米ドルで金融危機発生以来の単月過去最高を記録。このうち情報・通信製品(携帯電話など)が4億3,000万米ドルを占めた。

 中国大陸および香港向けは前月比3%増、前年同月比37.2%増の97億3,000万米ドル、東南アジア諸国連合(ASEAN)主要6カ国向けは前月比12.1%増、前年同月比49.5%増の39億米ドル。欧州向けは前月比7.8%増、前年同月比33.8%増の24億1,000万米ドル、日本向けは前月比13.7%増、前年同月比33.9%増の16億1,000万米ドルとなった。

 一方1~7月累計では、▽中国大陸および香港、664億8,000万米ドル▽ASEAN6カ国、236億8,000万米ドル▽日本、101億8,000万米ドル──でいずれも同期の過去最高を更新した。

季節的要因に変化

 林麗貞・財政部統計長は、世界的な景気回復、特にアジアでの需要増が台湾の輸出成長につながっていると指摘。また例年上半期はオフシーズンに当たるが今年は好調だったように、中国の春節(旧正月)やメーデー(5月)、国慶節(10月)などによる台湾の輸出への影響が強まり、従来のような季節変動が見られなくなってきているため、下半期は例年ほど突出した成長は期待できないとの見方を示した。ただそれでも今年は通年で2,729億米ドルの過去最高を記録するとの予測だ。

 一方、永豊金融控股研究総処の黄蔭基処長は、欧米の景気回復力が弱いことから、下半期輸出額の上半期比成長率を1.15~1.2%と予測している。ただ下半期の成長力が弱い原因は景気後退ではなく上半期の好調にあると指摘。中国の消費力が強いことから、下半期輸出にも期待できると強調した。

設備輸入、5カ月連続30億ドル

 一方、7月の輸入総額は前年同月比42.7%増の217億4,000万米ドルとなり、そのうち資本設備の輸入額は前年同月比61.6%増の34億5,000万米ドルで、5カ月連続で30億米ドルを超えた。資本設備の輸入は1~7月累計でも222億8,000万米ドルの過去2番目を記録、大部分が半導体製造設備だった。

 なお1~7月の貿易黒字は141億米ドルで、同期としての過去2番目を記録した。

【表】