華碩電脳（ＡＳＵＳ）は29日、世界17億人の華人市場をターゲットに、中華圏で人気の男性歌手、周杰倫（ジェイ・チョウ）と共同デザインした、ノートパソコンＮシリーズのコラボレーションモデル「N43SL」を発表した。同社は今年第１四半期、中国ノートＰＣ市場のシェアを昨年の13％から15％へと拡大し、「上半期の中国市場での月間出荷台数が欧州を上回った」と表明。中国ハイシーズンの第３四半期、聯想集団（レノボ）に次ぐ中国２位の地位を固める構えだ。30日付工商時報などが報じた。

施崇棠董事長（右）は、ジェイが今後もＡＳＵＳ製品をデザインする可能性があると示唆した（ＡＳＵＳプレスリリースより）

　張緯明ＡＳＵＳ財務長は、Ｎシリーズで華人市場の中でも特に中国を意識していると説明。そして、同社は中国ノートＰＣ市場でシェアを毎年１ポイントずつ拡大する目標だったが、今年は第１四半期の段階で既に達成したと好調さをアピールした。シェア３位以下は、デル、ヒューレット・パッカード（ＨＰ）、宏碁（エイサー）。エイサーは昨年、中国の方正科技（ファウンダー・テクノロジー・グループ）から「ファウンダー」ブランドの使用権を獲得している。

　ＡＳＵＳによると、14インチの「N43SL」はインテルの第２世代ＣＰＵ（中央処理装置）「Core i3」、「ｉ５」、「ｉ７」およびマイクロソフト（ＭＳ）のＯＳ（基本ソフト）「ウィンドウズセブン（Windows7）」を搭載。外観はジェイ・チョウがデザインした。また、ジェイのＣＤアルバム４枚分が内蔵され、起動音やシャットダウン時の音楽もジェイが作曲した。しかも希望小売価格は３万6,000台湾元（約10万円）で、同水準の規格のノートＰＣと大きな差はない。

出荷目標、下方修正を否定

　下半期の消費者のノートＰＣ購買意欲に慎重な見方が出る中、張財務長は同社の上半期のノートＰＣ出荷実績が約590万台で目標を達成し、通年目標の1,400万台も問題なく到達できると自信を示した。そして、低価格ノートＰＣ（ネットブック）「Eee PC」600万台を加えて通年2,000万台の出荷目標に変わりはないと強調した。タブレットＰＣも上半期出荷台数が40万台を上回り、通年で200万台に達するとの見方だ。