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「ZARA」進出、ユニクロと火花


ニュース 商業・サービス 作成日:2011年11月7日_記事番号:T00033597

「ZARA」進出、ユニクロと火花

 スペインのカジュアルファッションブランド「ZARA(ザラ)」台湾1号店が5日、台北101(台北市信義区)にオープンした。初日、2日目合わせて2万人以上が来店、百貨店業者の推計によると、1億台湾元(約2億6,000万円)を売り上げたとみられる。ユニクロが新店舗を拡大する中、新たな世界的チェーンの参入で、台湾は低価格ファッションの新時代を迎えた。7日付蘋果日報などが報じた。


ZARA台湾1号店(インディテックスリリースより)

 ZARA1号店は、台北101購物中心の1階と2階に計750坪を占め、1階は婦人服、2階は紳士服および子供服売り場となっている。価格帯は大人向けが450〜1万元、子供向けが390〜3,000元と幅広い設定だ。

 5日午前9時のオープン前に店の前に集まったのは約200人で、昨年10月に同じく信義区の統一阪急百貨店台北店にユニクロ1号店がオープンした際に約2,500人が行列をつくったのに比べ、滑り出しは低調となった。しかしその後、来店者は徐々に増え、正午ごろには500人以上の入店待ちの列ができた。

 開店前の行列がなかったことについて台北101は、「ユニクロとは顧客ターゲットが異なり、ZARAの顧客は行列を好まない傾向にある。また、初日は営業時間を午後12時まで延長したためだ」と指摘した。ZARAは学生を主力ターゲットとしておらず、サラリーパーソンや若い母親が子供を連れて来店する姿が多く見られた。

 6日付聯合報よると、初日の来店者数は約1万5,000人で、客の約8割が実際に買い物をしていたという。平均消費額を3,000〜4,000元とすると、この日だけで5,000万元以上を売り上げたことになる。さらに2日目も、午後には入店待ちの列が1,000人以上に伸びる盛況となった。

 なおオープン初日の5日、台北101購物中心は入場者が8万人を超え、開業以来の最多記録(大みそかを除く)を更新した。


「欧州の店舗よりも1割高い。同じにしてほしい」と語る買物客も(5日=中央社)

価格はZARA、接客はユニクロ

 ZARAのオープンにより、ライバルとなるユニクロとの比較が注目を集めている。各メディアがZARA来店客に聞いたところによると、価格はZARA、接客態度はユニクロに軍配が上がった。

 価格については「ZARAの方が安い」という声が聞かれたほか、「ユニクロは台湾でほかの国より高く売っている」「ZARAは香港の価格と差がない」など、他の市場での販売状況と比較して「誠意」を重視する見方もうかがえた。

宣伝は不要

 両社はマーケティング戦略についても大きく異なっている。インターネットなどを使って大々的な宣伝活動を展開するユニクロに対し、ZARAは今回の1号店オープンに当たっても、テープカットも行わず、地味なものとなった。ZARAを展開するアパレルメーカー、インディテックスは「ZARAは『広告を打たない』の経営理念を持っており、良いブランドは口コミでその知名度が上昇するはずだ」との考えを示している。

 なお、ZARAは2週間後に台北市忠孝東路四段に面積570坪の2号店がオープンする予定だ。