25日付工商時報が日経新聞の報道を基に伝えたところによると、シャープは３月に同社との資本業務提携を発表した鴻海科技集団（フォックスコン）が中国・四川省成都に新設する液晶パネル工場に技術供与を行い、共同で事業を進める計画だ。これに関する双方の協議は既に最終段階を迎えているという。
観測によるとシャープが技術供与を行うのは、鴻海の提携パートナー「天億顕示科技」が先ごろ成都で着工した第６世代低温ポリシリコン（ＬＴＰＳ）パネル工場とされる。
同工場は総投資額は220億人民元（約2,760億円）、中小型パネルを生産するとみられ、2013年下半期の稼働が見込まれる。生産能力はＬＴＰＳパネルと酸化物半導体（ＩＧＺＯ）がそれぞれ３万枚とされる。
ＬＴＰＳパネルは、アップルのｉＰａｄやiPhoneに搭載されており、これら製品の組み立てを手がける鴻海は成都をｉＰａｄの最大生産拠点としている。このため同社は、シャープの技術を取得してアップルからパネル受注を獲得し、同地での垂直統合を進めたい考えとみられる。
