財政部統計処が７日発表した貿易統計によると、８月の輸出総額は前月比0.6％減、前年同月比4.2％減の246億9,000万米ドルだった。輸出総額の前年同月比マイナスは６カ月連続となったが、減少幅は前月（11.6％）より縮小した。１～８月の輸出総額は1,963億4,000万米ドルで、前年同期比5.6％減。８日付工商時報などが報じた。
葉満足・財政部統計長は輸出額減少が続いていることについて、欧州債務問題が依然世界景気に暗い影を落とし、中国、米国、欧州など主要地域の経済の減速で、輸出に頼るアジアの国・地域に悪影響を及ぼしているためと指摘した。
輸出国・地域別では、欧州向けが前年同月比17.4％減で減少幅が最大だったほか、▽米国向け、同8.4％減▽中国・香港向け、同5.7％減▽日本、同2.3％増──となった。
輸出製品別では、スマートフォンの新機種発売を前にした消費者の購買意欲不振の影響で、情報通信製品が前年同月比で23.9％の大幅減を記録したほか、化学製品が同20％減となった。また基本金属およびその他製品が同17％減のほか、▽機械、同10.6％減▽光学・カメラ・計量・医療製品、同6.5％減──となった。
今年はマイナス成長
９月の輸出総額の見通しについて財政部は、比較対象となる前年同月の数値が低かったこと、半導体関係生産設備の輸入が３カ月連続で伸びて電子製品の輸出額増加に貢献していることに加え、欧米メーカーが調達を拡大させるシーズンを迎えることからプラス成長に転じる可能性があるとの見方を示した。ただ今年通年の輸出額は前年比1.72％減で、2009年の金融危機以来のマイナス成長になるとの予測を示した。
