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世界一のパン職人が門前払い、台湾EMBA履修で


ニュース 社会 作成日:2013年3月21日_記事番号:T00042685

世界一のパン職人が門前払い、台湾EMBA履修で

 2010年にパリで開かれたパン職人コンテストに優勝して「世界一のパン職人」の称号を獲得し、「台湾の光」として一躍注目を浴びた呉宝春さん(42歳)がこのほど、大学でEMBA(上級管理職向け経営学修士課程)を受講しようと考えたが、中学卒業の学歴しか持たないことから門前払いに遭ってしまった。


小学校のイベントに参加した呉宝春さんは子どもたちに対し「学べる機会を無駄にせず、簡単にあきらめないで」と呼び掛けた(20日=中央社)

 屏東県出身の呉さんは12歳で父親を亡くし、母親が働いて子ども8人を育てる貧しい家庭環境だったことから、中学卒業後すぐに台北に出てパン職人に弟子入りした。

 しかしパン職人としての腕を磨く過程で勉強することの楽しさを知り、その後も知識を深める努力を続けた。

 このほど、自分が経営する店を拡張するに当たり経営学の知識が必要だと考え、EMBA履修を思い立った。

 しかし呉さんが台湾の大学のEMBAコース受講条件を調べたところ、教育部の規定で大学卒かそれに相当する資格を有する必要と分かった。呉さんが持つベーカリー業の資格では条件を満たさないため、あきらめるほかない。ちなみに台湾大学の場合は大卒に加え最低10年の職歴が必要だ。

 そこへこの情報を聞きつけたシンガポールの国立大学が呉さんの面接を行うため、職員を派遣してきた。同大学EMBAコースの受講にも「大卒」などの条件があるが、「特殊な実績を持つ企業家などには特例措置を与える」とのただし書きがあり、自分が経営する店で2億台湾元を売り上げた呉さんはこの「特例」に相当すると見なしているようだ。

 現在、同大学で受講についての審査が行われており、呉さんは「もし審査に通れば、チャンスを手放さない」と意欲を見せている。

 実は、EMS(電子機器受託生産サービス)世界最大手、鴻海精密工業の郭台銘董事長も15年前、大卒でないという理由で台湾大学のEMBA受講をあきらめたことがある。こうした状況に「台湾の大学は学歴ばかり重視していては競争力を失う」と議論を呼んでいる。