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自由経済モデル区、6港湾・空港で7月実施へ


ニュース その他分野 作成日:2013年3月28日_記事番号:T00042838

自由経済モデル区、6港湾・空港で7月実施へ

 行政院は27日、大幅な減税で海外からの投資や人材を呼び込み市場開放促進を目指す「自由経済モデル区」構想を発表した。早ければ7月から5港湾と桃園国際空港および周辺で開発する「桃園航空城」で先行実施し、年内にも台湾全土に徐々に拡大する。自由経済モデル区での生産額は2年後に1兆台湾元(約3兆1,500億円)を見込む。江宜樺行政院長は、市場開放が環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)や東アジア地域包括的経済連携(RCEP)への参加要件になると意気込みを示した。27日付蘋果日報などが報じた。


桃園空港の遠雄航空自由貿易港区。自由貿易港区の企業は現在110社で、貿易額は5,000億元だ(中央社)

 行政院経済建設委員会(経建会)の管中閔主任委員は、5港湾(台北港、蘇澳港、基隆港、台中港、高雄港)と桃園航空城の第1段階は4月初旬に行政院に案を報告し、行政命令の法改正で7月末にも実施すると説明。第2段階は、9月に「モデル区特別条例」を提出して法制化することで、年内にも地方政府がモデル区設置を申請できるようにする。

 江行政院長は、2002年の世界貿易機関(WTO)加盟以降で最大規模の経済貿易自由化措置であり、モノ・ヒト・カネの規制を大幅に緩和して市場開放を定着させ、台湾の自由貿易アイランド化を加速すると述べた。

租税優遇、最長10年

 主な優遇措置は、▽台商(海外で事業展開する台湾系企業)のモデル区への投資を免税(営利事業所得税17%などを免税)、グローバル企業の台湾業務本部設立後3年間の台湾投資を減税(営利事業所得税17%を10%に)▽外国籍・中国籍の専門職の海外からの所得や3年間の給与所得の半額を免税(総合所得税)▽外資系企業の特許や技術供与による所得を免税▽研究開発(R&D)の支出額の15%を限度に3年内の営利事業所得税を納付すべき額の30%を超えない範囲で減額──。中国籍の人材をビジネス目的でモデル区に招聘(しょうへい)する場合、1カ月以内の訪台なら審査不要としたり、農作物以外の中国製品をモデル区で加工などを施した後、輸入して台湾内で販売できるようにするなどの内容も盛り込む。

 管経建会主任委員は、最も目を引く租税優遇措置はまず企業を台湾に呼び込む狙いだと強調。これを受け財政部は、特別条例の施行は無期限でなく10年を計画しており、個別の条例は最長3年、中には1回限りもあると指摘した。

中国資本の投資比率上限を撤廃

 このほか管経建会主任委員は、中国資本の台湾の製造業に対する投資は、外資に準じ出資比率の上限を撤廃すると述べた。センシティブな核心産業の▽液晶パネル▽発光ダイオード(LED)▽太陽電池▽半導体▽半導体パッケージング・テスティング(封止・検査)▽金属切削加工の工作機械▽電子・半導体製造の機械設備──は現在、中国資本が経営権を掌握できないよう出資比率が50%未満に制限されている。梁国新・経済部次長は、中国資本によるセンシティブ核心産業への投資は今後も個別審査を続けると付け加えた。

 モデル区構想に対し、工作機械の業界団体、台湾区機器工業同業公会(TAMI)の王正青秘書長は、台商のUターン投資を促せると期待感を示した。中華民国全国商業総会(商総)の張平沼理事長は、これまで発展が妨げられていた商業やサービス業などの規制も緩和され、中国の農産物を加工して輸出するなら台湾の農業に打撃を与えないと評価。TPPなどで求められる双方向の市場開放に向けたステップとなると指摘した。

農業や医療も

 モデル区の発展構想は4本柱で、物流や加工を行う「スマート運営」や海外企業との提携を促進する「産業提携」、農産物などを加工してメードイン台湾として世界に輸出する「農業付加価値」のほか、外国籍の医療機関や人材を呼び込む「国際医療」を想定している。

 行政院衛生署は、台湾人、外国人ともに▽美容医療▽健康診断▽重症──を自費で受けることができる国際医療センターをモデル区内に設立し、モデル区外の医師でもモデル区内の医療センターの仕事を兼務できるという計画を説明した。これにより、医療生産額の200億元超への倍増を見込む。ただ、医療改革を志向する民間団体は、医療を営利目的で行うべきでないと反対の声を上げた。