ニュース 社会 作成日:2013年4月9日_記事番号:T00042993
行政院衛生署は8日、H7N9型の鳥インフルエンザウイルス株を5月末にも入手し、万一ヒトからヒトへの感染が拡大した場合、ワクチンの量産時期を年末から8月末に繰り上げると表明した。ヒト・ヒト感染へとウイルスが突然変異した場合の予防措置だと説明したものの、8月末まで空白期間が生じる上、突然変異が起きれば現ウイルス株を用いたワクチンでは効き目がないとの医療関係者の声もある。9日付蘋果日報などが報じた。

重症急性呼吸器症候群(SARS)流行から10年間で中台間の往来は大幅に拡大しており、対岸の火事では済まない(8日=中央社)
衛生署が同日立ち上げたH7N9型ワクチン対策チーム招集人の林奏延副署長は、世界保健機関(WHO)や米国にウイルス株の提供を既に依頼しており、早ければ5月末にも入手できると述べた。通常、ワクチンは製造するまでに8カ月かかるが、仮にヒト・ヒト感染が激増すれば警戒レベルを現在の第3級から第4級に引き上げ、行政院が緊急の供給命令を下すため臨床試験の期間を短縮できると説明した。その場合、医療、畜産関係者に優先接種を行う。中国の感染地域の台商(台湾系企業)を優先接種の対象に含めるかは検討中だ。大流行の可能性がある冬季に入る前、11月までに一般市民にも接種できるよう準備を進めることも検討している。
和信治癌中心医院の謝炎堯副院長は、H7N9型ウイルスの変異は続いており、現時点でワクチン生産を開始すれば、その後ヒト・ヒト感染をするようになった場合に、ワクチンを接種しても効果がない可能性があると懸念を示した。一方、台湾大学医学院附設医院(台大医院)の張上淳副院長は、たとえ変異が続いても、H7N9型の遺伝子が含まれていればワクチンは有効との見方だ。
模擬ワクチンでも2週間
国家衛生研究院(国衛院)は9日、基亜生物科技(メディジェン・バイオテクノロジー)とワクチン生産準備について協議する。メディジェンの張世忠董事長は、まず数十万本を用意する計画だと述べた。秋になれば渡り鳥が渡来し感染が拡大する可能性があるが、事態が深刻になればWHOからウイルス株を入手後2〜3カ月で量産できるので、安心してほしいと市民に呼び掛けた。
国光生物科技(アディミューン)の詹啓賢董事長は、WHOの規定で疾病が緊急発生すればモックアップ(模擬)ワクチン製造の手順に従い、ウイルス株入手後2週間以内に季節性ワクチンの生産能力を緊急のワクチン用に切り替えることができると指摘。2カ月以内に500万本の生産が可能で、市民に十分な量を供給できると強調した。
国衛院は、優先接種で50万本必要と予測している。1本200台湾元(約660円)とすれば、予算は1億元だ。もし長期戦になれば人口の20%のワクチンを用意しなければならず、成人1本、子ども2本として500万〜700万本の計算で、予算は10億〜14億元必要となる。
スピード検査で4時間に
中国が提供を約束しているワクチン株について、中央流行疫病指揮センターの指揮官、張峰義・疾病管制局(疾管局)長は、スピード検査試薬の製造に使う方向だと述べた。現在、感染疑いの検査は実験室に検体が届いてから8時間かかるが、スピード検査試薬ができれば4時間に短縮できる。
疾管局の統計によると、4月3日以降の台湾入境者のうち発熱などの症状が見つかったのは254人、感染疑いは17人で、うち11人が中国の感染地域からだったが、全員がH7N9型ウイルスに感染していなかったことが判明した。病院などからの通報は9割が台湾人、残り1割が中国人で、38%がインフルエンザ、大部分が中国南部で流行しているH1N1型ウイルスだった。なお、中国で感染が確認されたのは24人で、死者は7人。
予防策にも限界
感染拡大に備え、市中では早くも予防策に乗り出している。ただ、鳥類に近づかないことや、消毒や体温測定くらいしか方法がないのが現状だ。
中国旅行者が必ず訪れる免税店の昇恒昌免税商店(エバーリッチ・デューティーフリー・ショップ)は、毎日売り場を消毒するほか、入り口に体温を測定する赤外線センサーを設置し、熱があればマスクを配布する。新北市は、小売り市場や野生のハトが集まる場所の消毒を始めた。中国人観光客4,000人を含む1万人が毎月訪れる観光地、野柳地質公園(新北市万里区)は、スタッフ全員や希望する入場者に体温測定を行い、38度以上なら入場を断り、関係機関に通報する。台中市は鍋料理店に対し、生卵の提供を一時控えるよう要請した。苗栗県は、小中学生の体温測定を始めた。高雄市、台南市、屏東県、澎湖県などは9日に対策会議を開催するほか、湿地や渡り鳥の観測も強化する。
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