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4月輸出マイナスに、GDP3%成長に暗雲


ニュース その他分野 作成日:2013年5月8日_記事番号:T00043541

4月輸出マイナスに、GDP3%成長に暗雲

 財政部が7日発表した貿易統計によると、4月の輸出総額は250億5,000万米ドルで、前月比8%減、前年同月比1.9%減となった。前年同月比のマイナス成長は、2月に続いて今年2回目。葉満足統計処長は「5月はプラス成長回復が見込める」と語ったものの大幅成長は見込めず、予想外の輸出不振によって、今年は域内総生産(GDP)成長率3%を達成できない可能性も出てきた。8日付工商時報などが報じた。

 葉統計所長は輸出総額が伸び悩んだ主因として、欧州向けが22億6,300万米ドルと前年同月比19.3%の大幅減になったことを挙げた。これは21.89%減を記録した2011年11月以降で最大の下げ幅で、特に携帯電話が5割減まで縮小したことが響いた。欧州向けの輸出総額は24億ドルが平均とされるが、昨年11月より減少傾向にあり4月は同数値を約5.6%下回った。

 輸出総額を製品別にみると、▽情報通信製品、13億1,000万米ドル(前年同月比12.0%減)▽化学品、16億4,100万米ドル(同9.7%減)▽基本金属およびその製品、22億9,800万米ドル(同8.0%減)──が大きく減少し、全体の足を引っ張った。情報通信製品は特に携帯電話が28.8%減と落ち込みが顕著だった。葉統計所長は携帯電話について、減少幅は2カ月連続で縮小しており、部品供給不足が解決すれば回復が見込め、輸出全体に大きく貢献するとの見方を示した。

 主計総処は2月の段階で第2四半期の輸出成長率を5.94%と予測していたが、5、6月も回復しない場合は、第1四半期実績の2.4%を上回ることも厳しくなる。2.4%の成長率を維持するには5月と6月にそれぞれ265億米ドルが必要だ。

産業界、「為替の問題」

 輸出総額のマイナス成長について、産業界からは「為替の問題」との声が上がった。台湾元は現在対米ドルで29元台半ばで、日本円や韓国ウォンに比べ下落感がない。日韓と市場を争う業界は、台湾は製品価格差の縮小によって競争力が低下したため、輸出が減少したとの見方だ。中華民国全国工業総会(工総、CNFI)の許勝雄理事長は「政府は近隣諸国の為替動向を注視し、適宜調整すべきだ」と指摘した。

輸入、鉱物製品が大幅減

 4月は輸入総額(227億7,000万米ドル)も、前月比5.2%減、前年同月比8.2%減のマイナス成長だった。半導体設備と鉱物製品の輸入が減少したためだ。半導体設備は4カ月連続で輸入が拡大していたが一服し、前年同月比5%減の29億4,200万米ドルだった。鉱物製品は66億1,600万米ドルと同14.9%減だった。減少額は11億6,000万米ドルと輸入全体の減少幅(20億3,000万米ドル)の6割を占めた。これについて財政部は台塑石化(フォルモサ・ペトロケミカル)の製油プラントが4月中旬から年次保守に入った影響が大きいと指摘した。

 中興大学の楊声勇財金系主任は、輸入総額の前年同月比の減少幅が輸出よりも悪かったことについて、台湾メーカーは原材料を輸入した上で加工してから輸出しており、輸入総額の減少は今後輸出が好転しないことを示していると厳しい見方を示した。

【図】