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漁民銃撃死亡事件、対フィリピン追加制裁も


ニュース 政治 作成日:2013年5月15日_記事番号:T00043652

漁民銃撃死亡事件、対フィリピン追加制裁も

 台湾漁船が操業中にフィリピンの公船から銃撃を受け、漁船員1人が死亡した事件で、フィリピン政府の対応が不十分だとして、台湾総統府は15日朝、▽フィリピン人労働者の就労申請の即時凍結▽台湾の駐フィリピン代表(大使に相当)召還▽フィリピンの駐台代表に帰国して事件調査に協力するよう要求する——との3項目の制裁措置を発表した。


フィリピン大統領府の報道官は15日午後、何も発表できないと改めて繰り返した(15日=中央社)

 また、江宜樺行政院長は同日午前に記者会見し、フィリピン政府から同日午後6時(台湾時間)までに納得がいく回答が得られない場合、既に取った3項目の制裁に加え、8項目の追加制裁措置を取ると表明した。

交流の全面中断辞さず

 追加制裁は、▽フィリピンへの渡航自粛を求める「紅色警報」を発表し、観光・ビジネス目的での渡航を見合わせるよう要請▽高官交流の中止▽フィリピン側による経済交流などの中断▽漁業協力の中止▽科学技術研究交流・協力計画の中断▽航空交渉の中止▽インターネットでの事前申請に基づくフィリピン人へのノービザ措置適用中止▽国防部と行政院海岸巡防署(海巡署)による南シナ海での合同演習実施——という8項目で、フィリピンとのあらゆる交流を中断することも辞さない強硬な内容となっている。

 江行政院長は「今回の事案は中華民国の主権や漁民の合法的な漁業権にかかわる問題だ。市民が引き続き団結して政府の力強い後ろ盾となり、フィリピン側が台湾の要求に即した約束に応じるまで、圧力をかけることを呼び掛ける」と述べた。

こじれた双方の折衝

 これに先立ち、台湾はフィリピン側に謝罪、賠償、真相究明と容疑者処罰、漁業協定交渉の早期開始を要求。15日午前0時までの回答期限を前に、台湾の林永楽外交部長とフィリピンのアントニオ・バシリオ駐台代表は14日夜、5時間にわたり会談。フィリピン側はマニラ経済文化弁事処(MECO)のアマデオ・ペレス理事長が台湾入りし、遺族に謝罪することなどを表明した。しかし、賠償については明確な説明がなかった。

 バシリオ駐台代表は14日に林外交部長に宛てた書簡で「深い遺憾と謝罪」を表明したが、台湾側は謝罪がフィリピン政府による正式なものかどうか説明が不十分だとの立場で、文言修正をめぐるフィリピン側との調整が難航した。台湾側はフィリピン大統領府による追加説明を求めている。

 今後は台湾入りするペレス理事長が台湾側の納得のいく説明や謝罪を行い、追加制裁が回避されるかどうかが焦点となる。双方の関係がこのままこじれ、フィリピン人労働者の受け入れ凍結など制裁措置が長期化した場合、台湾の産業界にも影響が懸念される。