ニュース 社会 作成日:2013年5月20日_記事番号:T00043723
台北市は意外に思われるかもしれないが、その面積の55%を山間部が占めている。そして、そんな山々には市民が安全に登山を楽しめるよう130本もの登山道が100キロメートル以上にわたり整備されている。しかし、その90%以上が私有地であることもまた、知る人は少ない。
台北市工務局大地工程処の夏賢統科長によると、現在の登山道は、もともとは人がよく通るためにできた「けもの道」のような簡単なものだったが、雨が降った際にぬかるんで登山者がけがをするトラブルが発生するようになったため整備されたのだという。
しかし、登山道に利用する土地をすべて購入した場合、莫大な予算がかかることから、市は地主に無償で土地を提供してもらい、公共利用することになった。その後は市が定期的に補修工事などを行っている。
山間部とはいえども、台北市内の貴重な土地をなぜ地主が無償で提供することになったのか。
これについて陽明山国家公園内に位置する同市北投区湖田里の曹昌正里長は、「山の中の農地の多くは車道から離れているため、外部の人間が訪れるには不便だが、市の登山道に土地を提供することで登山客が来てくれるようになる」と説明した。
なぜ登山客の来訪を歓迎するかというと、地主の農家は農地で採れた作物を収穫して売りに行く必要がなくなるためだ。しかも客の目の前で収穫し、その場で売ることができるため、「下界」から買ってきたものを売っているなどとあらぬ疑いをかけられることもない。地主にとっても客にとっても良いこと尽くしというわけだ。
こうした「成果」を挙げる地主が相次いだことから、最近では自ら登山道に土地を提供したいと申し出る地主も増えているという。
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