ニュース 社会 作成日:2013年5月22日_記事番号:T00043778
台湾漁船が操業中にフィリピン公船から銃撃を受け、漁船員1人が死亡した事件をめぐり双方の関係が悪化する中、インターネット上で「ある弁当店はフィリピン人への販売を拒否している」との情報が広がり、フィリピンメディアでも取り上げられて同国民の反発を招いたが、調査の結果、この情報はどうやら捏造(ねつぞう)されたものらしいことが判明した。
「弁当不売事件」の情報はいずれもSNSサイトのフェイスブックが出どころで、「董」という姓の女性、台湾立報の「鄭」記者、「潘牧師」による3パターンが存在する。しかし、3人の話があまりにも似通っていることからネットユーザーの間で「捏造ではないか」と疑問の声が強まっていた。
フィリピンメディアにまで取り上げられ、台湾の国際的なイメージへの影響が懸念された中、李鴻源・内政部長が20日、警察に調査を指示。翌日、董さんに対し事情聴取が行われた。
警察に対し董さんは、「新北市にある弁当店で、客同士が『フィリピン人労働者が弁当を買えないと言っていた』と話しているのを聞いてフェイスブックに書き込んだ」と証言した。
しかし8万人以上に「シェア」されたその投稿の内容は、「台北市の東区商圏の軽食店でフィリピン人労働者が1時間待っても弁当を買えなかったばかりか、店の主人から『フィリピンの犬』などと罵声を浴びせられていたのを目撃した」というものだった。
これについて董さんは「フィリピン人への台湾人の対応が良くなればと思って(自分が目撃したという)一人称形式にした」と説明した上で「それは大きな間違いだった。世間を騒がせたことをお詫びしたい」と謝罪した。
一方、台湾立報も21日深夜、「鄭」記者の書き込みの内容が伝聞情報であり、偽の情報を捏造した形跡もあるとして同記者を解雇したと発表した。また「潘牧師」も既にフェイスブックのアカウントを削除しているため、この事件は注目を集めたかった故の捏造と言って間違いなさそうだ。

董さんは21日夜、警察に連れられて弁当店を訪れ、店主に謝罪の言葉を重ねたという(21日=中央社)
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