ニュース その他分野 作成日:2013年5月30日_記事番号:T00043953
スイスのIMD(経営開発国際研究所)が29日発表した世界競争力年鑑によると、台湾の総合順位は11位と、前年から4ランク後退した。大分類の「ビジネスの効率性」が前年の4位から10位へと大きく順位を下げたことを台湾綜合研究院(台綜院)では「警戒信号」とみており、呉再益院長は政府にさらなる投資環境の改善と民間投資の促進を呼び掛けた。30日付聯合報などが報じた。

台湾の総合順位は、10年(8位)、11年(6位)、12年(7位)と過去3年は10位圏内を推移していた。なお、馬英九政権発足は08年5月で、世界金融危機の翌年の09年は23位に転落していた。韓国は今年22位(前年22位)、香港は3位(前年1位)、シンガポールは5位(前年4位)で、中国は21位(前年23位)、日本は24位(前年27位)だった。
行政院経済建設委員会(経建会)の管中閔主任委員は、今回は過去4年で最低だったが、過去4年の通算では1997年以降で最も良かったと強調。また、今回の大分類(4項目)はすべて後退したが、小分類(20項目)は上昇した項目もあり、それほど悪くないと述べた。「ビジネスの効率性」が総合順位を押し下げた要因で、環境改善で人材を誘致、定着させ、企業の競争力を引き上げたいと述べた。
IMDは聯合報の取材に対し、中国への産業移転が進む中、産業構造の転換に直面していることが背景にあると分析した。台湾には優秀なエンジニアが多いが、賃金だけでなく若い世代が活躍できる環境が用意されていないと指摘した。

ステファン・ガレリIMDセンター長は、台湾経済は安定しており、バリューチェーン(価値連鎖)構築を続けるべきだと述べた(29日=中央社)
小分類、7割が下落
大分類(4項目)は、「ビジネスの効率性」の10位(前年4位)だけでなく、▽経済状況、16位(前年13位)▽政府の効率性、8位(前年5位)▽インフラ、16位(前年12位)──と軒並み後退した。
小分類(20項目)でも、「ビジネスの効率性」を構成する全5項目▽生産性・効率性、20位(前年12位)▽労働市場、15位(前年12位)▽金融、12位(前年11位)▽マネジメント、5位(前年1位)▽意識と価値、6位(前年4位)──が後退し、合計14項目が順位を下げた。「政府の効率性」の財政政策は4位を維持したが、順位が上昇したのは「経済状況」を構成する▽貿易、10位(前年15位)▽国際投資、30位(前年43位)──など5項目にすぎなかった。
スピード政策が鍵
台綜院の呉院長は、台湾の民間投資は毎年2兆台湾元(約6兆8,000億円)前後で、この10年は大幅成長がみられないと指摘した。政府の慎重な判断を待っていては国際社会に遅れを取ると述べ、例えば現行の環境影響評価(環境アセスメント)制度を見直すことで民間投資を促進できると主張した。
中華経済研究院(中経院、CIER)の呉中書院長は、ファウンドリー世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)など例外もあるが、企業の環境対応力が弱まっているため意外な結果ではないと述べた。
【図】
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