ニュース 社会 作成日:2013年5月31日_記事番号:T00043954
台湾最高峰、玉山にある気象観測所の観測員を29年間にわたって務めた李台軍さん(1950年生)がこのほど、自らの経験をまとめた書籍「玉山点滴」(推文社)を出版した。
李さんはもともと学校では電子関連を専攻したが、徴兵義務を終えた後、船員となり6年間にわたり海上での生活を続けた。
その経験から「雲を見る」ことに興味を抱くようになった李さんは、気象観測の仕事に就こうと決意。中央気象局に入り、30歳だった1980年に阿里山測候所に勤務することになった。
さらにその年、玉山測候所に1週間の出張に出かけ、「そびえ立つ峰々を前に自分の小ささ、力の弱さを知った」と感じるものがあって、半年後に同測候所への異動を志願した。
その後、李さんが30年近く勤めることになった職場、玉山測候所(現在の玉山気象站)は海抜4,000メートル(m)近い高さに位置し、かつては登山道も十分に整備されておらず「出勤」には丸2日かかったという。
また同測候所には3人の観測員が1カ月ずつ交代で勤務することになっていたが、流動性が高く、李さんはいつしか最もベテランの観測員となっていった。
1カ月間の孤独な山での生活は、所内で飼っていた犬の「熊熊」だけが話し相手だったが、勤務時間が終わって熱いお茶を飲みながら星を見たり、嘉南平原の夜景を眺めたりすれば寂しい気持ちは忘れたという。空気が澄んでいる夜には、台中から高雄へと続く高速道路が万里の長城のように浮かび上がって見えたそうだ。
3年前に引退するまでの約30年間、1年のうち約3分の1を山の中で孤独に過ごすという生活を続けた李さん、玉山に登った回数は600回に達した。今回の自伝のほか、撮りためた玉山の写真をまとめた写真集も出版している。
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