ニュース 社会 作成日:2013年6月5日_記事番号:T00044060
 保護対象となっているタイワンザルが増え過ぎ、農業に深刻な被害を及ぼしている。サルは群れを作って行動するため、50〜60頭が一度に畑などにやってくると作物はほぼ全滅に追い込まれる上、補償金も出ないため、農家からは「天災より怖い」と恐れられている。
タイワンザルは現在「野生動物保育法」により保護されており、捕獲したり傷つけたりすることは禁じられている。農作物や家畜に危害が加えられた場合でも、許可を受けて捕獲した後、自然に帰さなければならない。
このためタイワンザルの数は増え続け、現在統計が取られていないため正確な生息数は把握できていないが、専門家によると10年前の統計で少なく見積もって30万頭とされており、現在では60万頭を超えている可能性が高いという。
増え過ぎたサルによる被害は台湾全土で報告されており、対象となる農作物、家畜も▽ライチ▽レンブー▽パイナップル▽柿▽ニワトリ▽ブタ──と多岐にわたる。2006年には彰化県で100羽を超える地鶏が全滅した「虐殺事件」も起きている。
こうした深刻な被害が出ているにもかかわらず、相手は保護動物のため、殺したり捕獲することはできず、農家はこれまでさまざまな対策を試みてきた。
ある果物農家はロケット花火を打ち上げて追い払ったが、サルたちはものの数分で再び畑に舞い戻ってきた。またある農家は番犬を使って作物を守ろうとした。しかし50〜60頭の群れをなして木の上を飛び回るサルを前に、番犬は尻尾を巻いて逃げ出したそうだ。
このほか台東県のある村ではサルを利用して観光客を増やそうと考えたが、「台東のサルはおとなしい」というガイドの言葉を誤解した観光客が昨年、自分の手からサルに餌をやろうとして引っかかれ、負傷する事件が発生。県政府が謝罪する事態となっており、なかなかうまくいかないようだ。
農家からは「タイワンザルを保護対象から外し、捕獲や駆逐を認めてほしい」という要望が強まっているが、動物学者など専門家の大部分は「人間とサルのトラブルは人間の開発が原因」などと反対している。ただ政府に対しては、問題解決に向けた対策を講じ、農家の負担を軽減するよう提案している。
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