ニュース 社会 作成日:2013年6月6日_記事番号:T00044061
基隆市は、行政院衛生署の自殺率(人口10万人当たりの自殺者数)統計で毎年のようにワースト3に入っているが、これについては「『雨の都』呼ばれ、晴れの日が少ない気候が大きな原因」というのが通説となっている。しかし、専門家からは「簡単に天気のせいにしてはならない」と批判する声も上がっている。
統計によると、基隆市の自殺率は2002〜11年の10年間で19.68人から22.8人へと急激に上昇しており、同期間の全土平均の16.7人を大きく上回っている。
これについて、基隆市自殺防治センターは、同市の高齢化および失業問題が深刻となる中、健康を損なった高齢者による自殺や経済的不安による自殺が増えていると分析したほか、「雨が多いことも市民の気分を沈ませる要因とみられる」と付け加えた。実際、衛生署の統計でも特に雨の多い冬季に自殺が多いという。
しかしこれに対し専門家からは、「過去10年で基隆市の雨量が急激に増えたわけではない」として、天気を自殺率の高さの原因として重視し過ぎてはならないと警告している。
台湾大学公共衛生研究所の江弘基博士は、「1970〜80年代は台東や花蓮など比較的雨の少ない地域が自殺率の上位を占めていた」と強調。自殺率に影響を及ぼす要素として気候はそれほど大きくないとの見方を示した。現在、江博士は基隆市から委託を受け同市の自殺状況についての分析・研究を進めているが、その中に「天候」についての項目は含まれていないという。
一方、同市では自殺率の抑制に向け、4階建て以上のビルの屋上、上階の窓、エレベーター内などに「尊い命を大切に」と記されたステッカー約3万枚を張る、農薬の購入に際し氏名、連絡先の記入を求めるという対策の実施を決めた。
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