このほど行われた実験で、毎食前に１杯の豆乳を飲み続けた結果、被験者の１人が約３カ月で13キログラムのダイエットに成功したとの例が報告された。

　今回の実験では、過体重の男女60人を２組に分け、全員に栄養摂取と運動をさせるとともに、一方のグループには昼食と夕食のそれぞれ30分前に無糖の豆乳約450ccを、もう一方のグループには水を同量摂取させた。

　これを12週間続けた結果、両グループとも平均４キロ体重が減少したが、体脂肪率は水を飲んだグループが平均0.4ポイント低下したのに対し、豆乳を飲んだグループは同5.7ポイントと大幅に低下した。

　また「豆乳組」に加わった１人、エンジニアの楊仁光さん（30歳）は、日ごろの暴飲暴食や運動不足がたたって82.7キロに増えた体重が、「豆乳生活」を続けることにより３カ月で70.2キロまで減少。楊さんによると、食前に豆乳を飲むことで食事の量が減ったそうで、ウエスト周りがすっきりした夫の姿を、妻も「かっこよくなった」と笑顔で称えた。

　実験を主導した台湾肥満医学会常務理事の蕭敦仁医師によると、豆乳は植物性タンパクを豊富に含むため、水に比べより胃が空になる時間が長く、食事の量を減らすのに効果が高いと説明した。

　なお実験参加者のうち１人が「豆乳に飽きた」として脱落しているが、これについて李姿儀栄養士は、「豆乳が苦手な人やアレルギーのある人は、脱脂粉乳や低脂肪牛乳など他の高タンパク飲料でも同様の効果が得られるはず」と指摘している。

　ただ豆乳やその他タンパク飲料はいずれもカロリーが高いため、食事中、決して水代わりに飲まないよう提言している。

　また13キロのダイエットに成功した楊さんだが、実験期間中、８キロ痩せたところで減量が進まなくなったため、１日90分のエアロバイクでの運動を自分に課し、最後の１カ月で約４キロ痩せることができたそうだ。結局、ダイエットの秘訣（ひけつ）は「食べる量を減らしてたくさん運動する」ということか。