中台サービス貿易協定に反対する学生らによる立法院の占拠が長引く中、思わぬものが注目を集めている。それは、今回の学生運動でリーダーとしてテレビなどの映像にたびたび登場している大学院生、林飛帆さん（台湾大学政治系）がいつも身にまとっている緑色のコートで、インターネット掲示板などで「格好いい」と話題になり、ネットショップではほぼ完売状態となっているようだ。

コートについて無印良品は「よく似ているが、分からない」とコメント。インターネットでは、コートが気になって中継映像に集中できないとの書き込みが相次いだ（中央社）

　林さんが着ているコートは、ネット掲示板で「どこで買えるのか」と話題になり、ネットユーザーたちが議論した結果、無印良品（ＭＵＪＩ）が２月に台湾で発売した紳士用の「オーガニックコットンフィールドジャケット・グリーン」（3,500台湾元）だと判明した。

　その後、メディアが無印良品に問い合わせたところ「台湾に60着の在庫がある」とのコメントが返ってきたが、現在は台湾無印良品のホームページ上とのリンクで該当商品を掲載している楽天市場のウェブサイトでも「完売／在庫確認中」の表示が出ており、購入できない状態となっている。

　また林さんが着るコートの他、23日に発生した行政院の占拠事件後に、蕭家淇・行政院副秘書長が学生たちに盗み食いされたと主張している太陽餅（台中名物の焼き菓子）やケーキにも注文が殺到しているようだ。

　ちなみに蕭副秘書長が机の上に置いていたという太陽餅は、台中市長も推薦する名店「嘉味軒」の商品で、騒動が持ち上がった後、業績が２割伸びているという。

　一方、冷蔵庫にしまってあったというケーキは屏東県の「心之和烘焙屋」のもの。同店はもともと１日に600個のケーキが売れる超人気店だが、今回の一件で公式ホームページがダウン、電話も通じなくなるなどさらに注目を集めている。