財政部が７日発表した３月の輸出総額は前年同月比２％増の277億6,000万米ドルで、2011年８月以来で最高だった。欧米市場の需要回復で欧米向け輸出が同10％以上成長したが、ライバル、韓国の欧米向け輸出は同20％以上伸びている。経済部国際貿易局は同日、韓国は米国、欧州連合（ＥＵ）との自由貿易協定（ＦＴＡ）で関税が優遇されているためと指摘した。その上で、韓国が中国とのＦＴＡ交渉を加速する中、中台サービス貿易協定を早期に発効しなければ、後続の物品貿易協定の交渉に響き、台湾の輸出に打撃が出る上、環太平洋戦略的経済連携協定（ＴＰＰ）、東アジア地域包括的経済連携（ＲＣＥＰ）交渉参加にも影響すると強調した。８日付工商時報が報じた。

　財政部の統計によると、台湾の米国向け輸出は29億5,000万米ドルで同10.3％増、欧州向け輸出は26億1,000万米ドルで同10％増だった。他国・地域向けでは▽日本、同7.8％増（17億8,400万米ドル）▽東南アジア諸国連合（ASEAN）主要６カ国、同5.7％増（53億9,400万米ドル）▽中国（香港含む）、同0.3％減（109億5,800万米ドル）──だった。

　製品別では、電子製品の輸出が同9.2％増の81億5,000万米ドル、交通運輸設備が同11.6％増の11億3,000万米ドルで過去最高だった。機械も同11.6％増の18億4,000万米ドルと、大きく回復した。一方、液晶パネルなど光学機材、電機製品、鉱産物、情報通信製品はマイナス成長だった。

　一方、３月の輸入総額は同7.5％増の258億米ドルで過去34カ月で最高だった。資本設備が同14.6％増の37億1,000万米ドルで、民間投資の活性化がうかがえた。