超６つ星という触れ込みの台北文華東方酒店（マンダリンオリエンタル台北）が18日、台北松山空港に近い金融街の台北市敦化北路にオープンした。宿泊料金は１泊１万9,058台湾元（約６万4,000円）からと既存の最高級ホテルの２倍以上、プレジデンシャルスイートはなんと69万3,000元（15.5％のサービス料・税込み）だ。中国のビジネス客や日本、東南アジアの旅行者を中心に客室稼働率70％以上を見込む。19日付蘋果日報などが報じた。

１泊の宿泊料金は香港やマカオ旅行とほぼ同額。庶民からは「誰かに招待されない限り、一生泊まれない」との声も聞かれた（18日＝中央社）

　マンダリンオリエンタル台北は欧州風の建築様式の建物で地上14階、地下５階建て。芸術品が1,700点以上飾られる豪華ぶりで、宮廷風の１階ロビーには５万個の水晶から成るシャンデリアが飾られている。中泰賓館（マンダリーナ・クラウン・ホテル）跡地に８年かけて建てられ、投資額は250億元、敷地面積は4,600坪だ。

　客室は303室（うちスイート47室）で、建築費は１室当たり650万元と台湾で過去最高だ。スタンダードルームは17坪以上と一般の12～13坪より広く、各室に独立した個室パウダールームがあり、カーテンは電動式、46インチ以上のテレビやイタリア「イリー」のカプセル式エスプレッソマシンなどを備える。スイート以上は大理石の浴室床暖房で温度調整も可能だ。

　プレジデンシャルスイートは114坪で、出入口が２つあり、応接間、ダイニング、書斎、寝室、更衣室、パウダールーム、フィットネスルームの他、12人収容の会議室まである。窓からは台湾で最も高いランドマークの台北101ビルが望める。

　オープンに当たって２泊宿泊で３泊目が無料となるキャンペーンを行っており、客室の予約は既に80％埋まっている。

　マンダリンオリエンタル台北は、年間の客室稼働率は70～80％に達し、宿泊客は６割が中国人、残り各２割が日本人と東南アジアからの旅行者と予測した。

披露宴１卓3.8万元

　披露宴会場「文華閣」は広さ290坪、高さ７メートルで柱が１本もなく78卓まで収容可能だ。披露宴料金も１卓３万8,800元（サービス料別）からと台湾で最も高い。別途、会場料金30万元がかかる。年内に既に200組近い披露宴の予約が入っている。高さ21メートルのドーム型教会を併設し、欧州風の中庭でガーデンウエディングも可能だ。

　併設レストランは▽広東風料理「雅閣」、平均客単価、3,000元から▽フランス料理「ＣＯＣＯ」、ランチ980元から・ディナー2,200元から▽イタリア料理「ベンコット」、ランチ1,000元から・ディナー1,800元から──。投資額は各１億5,000万元に上る。

高級ホテル激戦区に

　台湾観光協会の王全玉董事は、マンダリンオリエンタル台北が加わった台北市松山区は国際ブランドの台北西華飯店（ザ・シャーウッド台北）、六福皇宮飯店（ザ・ウェスティン台北）もあり、年末に台北新交通システム（ＭＲＴ）松山線が開通すれば注目のホテルエリアになると指摘した。

　台北市では従来、Ｗホテル、台北寒舎艾美酒店（ルメリディアン台北）、台北君悦酒店（グランドハイアット台北）が集まる信義計画区と、台北晶華酒店（リージェント台北）、台北大倉久和大飯店（オークラプレステージ台北）、台北老爺大酒店（ホテル・ロイヤル・ニッコー・タイペイ）の中山区が、高級ホテルの２大エリアとみられていた。

　王董事は、日本人が比較的多いリージェント台北、セレブ女性が多いルメリディアン台北、若いイメージのＷホテルが影響を受ける可能性があると指摘した。

　Ｗホテルは、当店はニューヨークのスタイリッシュな雰囲気で、影響はないとコメントした。ザ・ウェスティン台北は、当店はビジネス客が多く、それぞれ客層が異なるので、良い意味での競争になると指摘した。