ニュース 電子 作成日:2014年6月30日_記事番号:T00051242
液晶パネル業界で、下半期見通しに楽観的な見方が相次いでいる。液晶テレビ、携帯電話、ノートパソコンの各製品向けで、軒並み需要増による供給不足、価格上昇が期待できるためだ。台湾の液晶パネル業界は昨年、過去数年続いた赤字をようやく終わらせたばかりだが、今年は低迷期からの脱却が見えてきた。30日付電子時報などが報じた。

台湾の液晶パネル産業は典型的な輸出型産業だが、輸出受注額は不振が続いている。5月の液晶パネルを含む精密機輸出受注額は前年同月比11.8%減で、13カ月連続のマイナス成長となった。
しかし最近、友達光電(AUO)の李焜耀董事長が、欧米経済の回復が台湾の輸出受注に貢献すると予測した他、群創光電(イノラックス)の段行建董事長が、厳しい時期をくぐり抜けて「惨業」(散々な産業)から「燦業」(燦々と輝く産業)に変化したと語るなど、両社は第1四半期が谷底として、今後業績は四半期ごとに改善するとの見方を示している。
市場調査会社、ディスプレイサーチも、6、7月の液晶パネル需要は旺盛ではないが、価格が下落することはないと分析。8~9月は中国の国慶節(建国記念日、10月1日)連休向けの需要拡大も見込めるため、今年は通年で液晶パネル業界の業績は期待できるとの見通しを示した。
液晶テレビは、サッカーのワールドカップ(W杯)ブラジル大会が需要を刺激していると指摘。特に超高解像度4K2K液晶テレビが売れ筋で、日本、中国のブランドメーカーが注力している。台湾の液晶パネルメーカーは、4Kパネル技術で中国・韓国をリードしており、特にイノラックスは中国4Kテレビ市場でシェア6割を占めている。
中小型パネル、22%増も
一方、携帯電話、タブレットPC向けなどの中小型パネルは、下半期に需要が上半期比で22.3%伸びると市場調査会社の拓ボク産業研究所(ボクはつちへんに僕のつくり、TRI)が予測している。下半期は需要期に入ることに加え、携帯電話ブランド各社の新機種投入が、パネル需要を押し上げるとみている。李AUO董事長は、携帯電話は大型化が進んでおり、全体の見通しは明るいと説明。それに加え、中国で第4世代移動通信(4G)サービス開始に伴い、大型高解像度パネル搭載のハイエンド機種が新たな需要を生んでおり、同社もこれら製品に注力して出荷拡大を図ると語った。
ノート用、13〜15インチ品不足か
一方、ノートPCも第3四半期の需要期を迎えてブランド各社が液晶パネル調達を積極化しているが、液晶パネルメーカーは中小型パネル向けに生産能力を振り分けているため供給がひっ迫し、価格上昇が予測されている。特に13、14、15インチでの品不足が懸念される。なお、タッチパネル機能搭載機種は需要の盛り上がりが見られないため、タッチ機能のない液晶パネルの受注が伸びる見通しだ。
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