ニュース 電子 作成日:2014年8月13日_記事番号:T00052107
ファウンドリー世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)は8月初旬、16ナノメートルFinFET(FF、立体構造トランジスタ)プロセスの試験生産に入った。第4四半期から計画を繰り上げた。初の製品は華為技術(ファーウェイ)傘下のIC設計中国最大手、深圳市海思半導体(ハイシリコン・テクノロジーズ)の64ビット(bit)対応big.LITTLE構造の携帯電話用チップ「Kirin930」だ。業界では、アップルの次世代プロセッサー「A9」の受注も確実視されている。13日付工商時報などが報じた。

TSMCはインテル、サムスン電子との激しい競争から、24時間交代勤務の「夜鷹計画」で10ナノプロセスの研究開発(R&D)を進めると同時に、16ナノFinFETプロセスの量産入りを急いでいた。
進度から判断すると、量産は16ナノFinFETプロセスが第4四半期、16ナノFinFETプラスプロセスは来年第1四半期となりそうだ。アップルは来年の次世代「A9」の発注先をサムスンに切り替えると市場観測が流れているが、設備メーカーは、TSMCが第4四半期に試験生産する16ナノFinFETプラスプロセスの製品に「A9」が含まれると指摘した。
TSMCは南部科学工業園区(南科)の12インチウエハー工場「Fab14」第6期が7月に量産に入っており、16ナノプロセス向けの第7期、第8期は年末に稼働する予定で、生産能力も準備万全だ。
インテル14ナノ、半年の遅れ
インテルは12日、14ナノプロセスのプロセッサー「コアM(開発コード名・ブロードウェル)」の詳細を発表した。クリスマスシーズンに発売されるタブレットパソコンや超薄型軽量ノートPCのウルトラブックに搭載される。業界では、アップルの新「マックブックエアー」にも搭載されるとみられている。
進度は計画より6カ月以上遅れており、業界関係者は、インテルがTSMCから受注を奪う可能性は大幅に低下したと指摘した。
来年の主力は20ナノ
設備メーカーは、TSMCの16ナノプロセスは効率や機能面で競合の14ナノより優れているため、TSMCが今後数年の間、アップルからの受注の9割以上を確保すると予測した。
証券会社は、来年の16ナノプロセスの売上構成比は10%未満で、20ナノプロセスが28%まで拡大すると予測。今後3年は20ナノプロセスが業績成長のけん引役と指摘した。20ナノプロセスは今年第3四半期に量産を開始し、同期の売上構成比が10%、第4四半期が20%の予測だ。現在の主力は28ナノプロセスで、第2四半期売上高の37%を占めた。
TSMCは12日の董事会で、設備投資の予算910億3,000万台湾元(約3,100億円)を承認した。モバイル端末、モノのインターネット(IoT)商機を狙う。今年の設備投資は95億~100億米ドルの見通しで、来年は今年より引き上げる考えだ。
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