ニュース その他製造 作成日:2014年8月20日_記事番号:T00052236
太陽電池大手、茂迪(モテック・インダストリーズ)は、米国への輸出製品に対する仮決定段階の反ダンピング(不当廉売、AD)関税率が、米商務省に異議申し立てを行った結果、当初の44.18%から20.86%へ引き下げが認められたと発表した。商務省が審査過程でミスがあったことを認めたもの。モテックが基準になっていた他の台湾メーカーの同関税率も、これに伴い約11ポイントの引き下げとなった。ただ、業界ではこの水準では依然利益に圧迫感があるとして、今後さらなる税率低減や課税回避を求めて米側への働き掛けを行っていく構えだ。20日付経済日報などが報じた。

モテックの当初税率44.18%はほぼ競争力を失う水準で、業界から驚きの声が上がっていた。異議申し立てが早々に認められたのは、商務省が税率を計算する際に、一部のデータの通貨表記で「米ドル」と「台湾元」を取り違えるミスがあったため。これにより当該データの数値が約30倍に膨れ上がり、モテックの関税率が不当に高く計算されたという。
台湾の太陽電池メーカーでは、モテックと共に米側への応訴代表を務めた昱晶能源科技(ジンテック・エナジー)が関税率27.59%で仮決定を受け、その他の業界各社の関税率はモテックとジンテックの平均値である35.89%となっていた。しかし、モテックの関税率が半分以下に下がったことにより、業界各社に課される税率も24.23%へと11.66ポイント低下した。なお、ジンテックも現在税率引き下げを求めて商務省と交渉中だ。
今後は商務省関係者が9月に訪台してモテックに対する現地調査を行った後、12月15日までに反ダンピング税を課徴するか否かの最終判断を下し、米国際貿易委員会(ITC)が来年1月29日までに米産業界に被害が出ていると認定すれば2月5日に確定するというスケジュールだ。ある業者は、税率をより低く導き、ITCが最終的にダンピングの事実はないと判断するか、米産業界に被害は出ていないと認定する方向に持っていきたいと語った。業界は税率が15〜20%ではまだ少々苦しく、15%以下であれば競争力を保てるとの見方が出ている。
市場は8年ぶり回復
一方、台湾電池市場では明るい兆しが見え始めている。過去2年、太陽光パネルの供給過剰により世界市場で数十社が撤退、設備投資の縮小が相次いだ結果、需要が回復しているのだ。
クリーンエネルギー市場の分析を手掛けるブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナンス(BNEF)によると、今年の太陽光パネルの設置は52GW(ギガワット)と前年の40GWから約29%増加し、来年は61GWへのさらなる拡大が見込める。これにより現在、太陽電池業界は2006年以来8年ぶりに需要に供給が追い付かない状況が生じている。
米国の金融情報などの専門週刊紙、バロンズによると、こうした市場の変化を受けて、中国を代表するある大手法律事務所が最近、反ダンピング税課徴に向けた中国業界に対する調査をやめるようプリツカー米商務省長官に提案したという。米投資銀行のロス・キャピタル・パートナーズは、太陽電池をめぐる米中紛争は、和解となる可能性が30〜40%に高まったと分析している。
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